約 969,564 件
https://w.atwiki.jp/sangamaki/pages/61.html
※どうやらAAがずれてしまうようなので、ご了承ください . 怜「ふぁぁ、けほっ」 怜「朝から咳か……調子悪いなぁ」 「怜ー!竜華ちゃんが迎えに来てるでー!」 京太郎「ふぁぁ、眠いなぁ」 京太郎「昨日夜遅くまでネト麻やってたからか?」 京太郎「……行くか」 竜華「おはよー怜ー!」 怜「おはよ、けほっ」 竜華「大丈夫?」 怜「ちょっと調子悪いだけやから」 霞「あら、おはよう、京太郎くん」 京太郎「おはようございます霞さん!良かったら一緒に行きませんか?」 霞「うん、いいわよ」 京太郎「霞さんと一緒に行くのって、春ぶりでしたっけ?」 霞「ええ、そうだったわね。それじゃあ行きましょうか」 京太郎「はい!」 怜(しかし、ほんまに竜華のおっぱいは大きいな……) 怜(いっそのこと欲望に身をゆだねて揉んでみよか)ウネウネ 京太郎(しかし、本当に霞さんのは……ごくり) 京太郎(こう、ちょん、と触るくらいなら……)ウネウネ こ、こんな立派なおもちが近くにあるなんて、羨ましいのです!そこを変わるのです!ボクたちワタシたち! オマカセアレレレレレレ! 京太郎(怜)「隙ありやっ!」モニュ 霞「……あらあら」ゴッ 怜(京太郎)「今だっ!」プニッ 竜華「ええっ!」 怜「あ、あれ……?」プニュップニュッ 怜「どうして竜華さんがここに?」 竜華「とぉーきぃー?」ピキピキ 霞「京太郎くんのエッチ!」 京太郎「」フシュー 京太郎(痛い、なんやこれ、反則やろ……) 京太郎(あれ?なんで石戸さんがここにおるんや?) 京太郎(服……制服やない) 怜(制服じゃない) 京太郎(手もごつうなっとる……って) 怜(手もなんか小っちゃくなってる……って) 怜京(まさか!) 霞『京太郎くんのエッチ!』 竜華『とぉーきぃー?』ピキピキ 怜京(身体が入れ替わった!?) 怜「それで、どうするんですか!?」 京太郎『どうする言われてもな……自分の声を聞くってなんか薄気味悪いな』 怜「確かにそうですねー、って違いますよ!」 怜「どうするんですか、授業とか生活とか」 京太郎『お互いのいつも通りを演じればええんやない?』 怜「そんな他人事みたいに……」 京太郎『せやったな、ごめん。少し舞い上がっとった』 怜「舞い上がってた?」 京太郎『やっと健康な身体になれたんやーって』 京太郎『今まで体育の授業もまともに出られなかったのに、こんな元気な身体になれて嬉しかったんや』 怜「」ブワッ 京太郎『でも、京くんには迷惑やったな、自重するわ』 怜「……いいでず」ズビーッ 怜「俺の身体で良ければ好きに使ってぐだざい」 京太郎『ええんか?』 怜「勿論でず」 京太郎『そか……おおきに!』 怜「その言葉は怜さんの声で聞きたかったです」 京太郎『お礼はまたするわ、せや良いこと教えといたる―――』 【side-怜-】 京太郎「うっち~だおれうっち~だおれ♪」 咏「お、元気じゃん、どしたの?」 京太郎「ええことがあったんや!」 咏「あれ?京太郎関西弁なんて使ってたっけか?」 京太郎(せや、これは京くんの身体やったな、気をつけんと) 京太郎「憩さんの真似をしてみたんだけど、どうだった?」 咏「似合わねえからやめといた方がいんじゃねーの、知らんけど」 咏「でさでさ!今日の体育なんだけどさ!」 京太郎「おう、何だ?」 京太郎(今日が体育やったんか、ツイとる) 京太郎(今日のときちゃんツイとるで!) 咏「男女でペアになるって話だったじゃねえか、知らんけど」 咏「だから……その……えっとぉ……」 京太郎「よし、組もう!俺と咏なら誰にも止められないぜ!」ダキッ 咏「ばっ、バカ!何抱き着いてんだよ!は、放せよ……」カァァ 【side-京太郎-】 怜(あー身体重っ、だるっ、咳出過ぎ) 怜(肺も痛いし心臓も痛いし頭も痛い) 怜(こんなんだったら体育になんて出られないよな……) 怜(というわけで、俺は今ッ!一人で体育の授業を見学しているッ!) 怜(そして間もなく100m走が始まろうとしているッ!これを見逃さない手はねえぜ!) 怜(怜さんから貰ったアドバイス、早速役立てますよ!) 京太郎『ロッカーん中に双眼鏡入っとるから、それを使えば今日は竜華のおっぱい見放題やで』 怜「なんですとおっ!?」 京太郎『あと、竜華は「手が滑ったー」とか適当な理由つけとったらいつでも触れるで』 怜「触れる、触れるってあのおぱーいをですか?」ガクガク 京太郎『せやでーほな頑張ってなー』 怜「ありがとうございやしたぁーっ!」 怜「双眼鏡装着完了!今走ってるのはーっと……江口先輩か」 セーラ「うりゃりゃりゃりゃりゃー!」 怜「おお、あの第二レーンの人、なかなか……ごくり」 怜「次はついに竜華さんの走る番だな!」 怜「さぁーてどれどれー」 竜華「はぁ……はぁっ……」ポヨンポヨン 怜「お……おお!」 怜「竜華さんのわがままボディーが!」 怜「あの豊満なオパーイが、お、おお、おおおお、おおおおお!」 竜華「はぁ……はぁ……」ポヨンポヨン 怜「FOOOOOOOOOOO!!!!!」ドバァッ 怜(神様、感謝します) 【side-怜-】 京太郎「咏ー!速く速くー!」 咏「おまっ、お前に追いつけってのが、ぜぇ、無理だ、はぁっ」コヒューコヒュー 「次はドッジバールやでー」 京太郎「よっしゃ!速く行こうぜ!」 咏「ちょっと待てよ……」 京太郎「んーそんじゃ」ニギッ 咏「は、はあっ!?」 京太郎「こうしてれば咏はついてくるだろ?」ニカッ 咏「……お、おう……」カァァ 京太郎「よし、今度こそ!」ダッ 京太郎「FOOOOOOOOO!!!!」 京太郎(風を切って走るんて、こんなに、こんなに気持ちええんやな!) 咏(誰か止めてくれ……) 【side-京太郎-】 怜「ん……うーん」 竜華「怜、起きた?」 怜(ああ、何か頭にすっげえ柔らかい感触がする) 怜(髪撫でられんのも気持ちいいなー) 怜(……そうか、これが竜華さんのお家芸) 怜(膝枕!) 怜(まさか味わえるとはな、けっけっけ) 怜(もっとたぁーっぷり味わってやるぜ!) 怜「んー、りゅーかぁ?」モニュ 竜華「ひゃうっ」 竜華「と、怜……?」 怜「寝とるからようわからんな……夢なんか?」モニュモニュモニュモニュ 竜華「あんっ、と、ときぃ……んっ」 怜(おぱーいって、こんなに柔らかいものだったのか)モニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュ 怜(やばい、癖になる)モニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュ 竜華「ああっんっ、ときぃ、ときぃっ、やめぇ、やめてぇっ、あんっ!」 怜(そういえば、竜華さんが心なしか濡れてるような……)モニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュ 怜(そうか、今は体育の授業中!)モニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュ 怜(それはつまり竜華さんはブルマでポニーテールで汗で濡れている、というわけで)モニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュ 竜華「あっ、ああっ」ピクッ ピクッ 怜(……エロい) 【side-怜-】 京太郎「掃除終わりっ!さーて次は……お茶を入れなきゃな!」 憩「なあ、どうしたんあれ、いつにも増して雑用魂燃えとるけど」ヒソヒソ 咏「私にもわっかんねーんだよ、朝からめっちゃくちゃ元気いいんだよ」ヒソヒソ 照「あんな京、初めて見た」ヒソヒソ エイスリン「キョウタロー!オンブ!」 京太郎「いいですよ、どうぞ」 エイスリン「シチュウヒキズリマワシ!」 京太郎「校内一周ですね」 エイスリン「」コクッ エイスリン「Let s go!」 京太郎「京太郎号はっしーん!」ドタドタ エイスリン「HEEEEEEEEHAAAAAAAAAA!!!!」 憩「平和やな」ヒソヒソ 咏「だからまだいいんだけどよ」ヒソヒソ 照「心配」モグモグ 郁乃(なんで誰もエイちゃんにつっこまんのやろ……) 【side-京太郎-】 怜『なあ、竜華』 竜華『なんや、怜?』 怜『みんなで温泉行かへん?』 竜華『温泉?』 怜『ほら、もうインハイも終わってもうたし、秋季大会に向けて部の親睦を深めたいなーって』 浩子『それやったら合宿所の温泉がええんとちゃいます?』 セーラ『お、ええな!行こう行こう!』 泉『先輩方が行くんなら私もご一緒させてもろてもよろしいですか?』 怜『勿論や!せや、OGの人たちも呼んで盛大にやろうや!』 雅枝『ダメや、せめて部内だけにしとき』 怜『あ、監督もどうですか?この際やから洋榎たちも連れて』 怜『あそこの温泉ええとこですし、洋榎たちも「オカン最高や!」とか言って喜ぶんちゃいます?』 雅枝『なるほど……ありやな』 雅枝『ほな温泉親睦会や!』 怜(完璧!まさに完璧だ!) 怜(着替えのときはブラに遮られて見えなかったけど、ようやく竜華さんの生おぱーい) 怜(それに絹恵さんと雅枝さんのも……ごくり) 怜(泉とか洋榎さんのとかは……失礼だし一応見ておくか) 怜(このドアを開ければ天国が待っている!) 怜(いざ行かん!わが天国へ!) 怜(誰もが夢見た楽園へ!) ガララ オマカセアレレレレレレ! 京太郎「……あれ?」 京太郎「どうして俺の部屋にいるんだ?」 京太郎「あーそっかーどこでもドアか、うんうんなるほどな」 京太郎「さーてと、天国行きのドアはどこかなー」 京太郎「……って!なんでだよっ!」 京太郎「どこにいったんだよマイヘヴン!」 京太郎「くそぉ、くそぉ……」 京太郎「こうなったら旅に出てやる!」 【side-怜-】 怜「あれ」グーパーグーパー 怜「あれれ」ホッペムニーッ 怜「元に戻ったんか」 竜華「怜ー早くー」 怜「今行くー」 怜(温泉……そういうことか) 怜(まあ身体を好き勝手させてもろたんや、このくらいええわ) 竜華「なんや、嬉しそうやな?」 怜「聞いて聞いてー実は今日な―――――」 怜「―――――ってことがあったんや」 怜「でも、信じてくれへんやろな」 竜華「ううん、信じるで」 竜華「それじゃあ今日一日、怜は京くんで京くんが怜やったんやろ?」 怜「せやでー」 竜華「そかー、全部あの須賀のせいやったんやなー」ピキピキ 竜華「ようやくスッキリしたわー」ピキピキ 怜(あ……やってしもた) 怜(ごめんな、京くん) .| ,;;;;;;; ´ | ,,;; "" . | (ニニニ) ..,,,;; ´´____,,,,,;;;;;--‐‐‐ ´´´´´´ ;;,,,_|____ ,,; __________________________________,,,,,,,;λ γ‐ニ二===-‐ ´ " /ヽ, "; /;;;;;;;;; ===ニニニ‐‐‐‐‐‐‐‐‐三三≡ニ==---τ.][_ζ 竜華「須賀のドスケベはどこやーっ」 ;;l;; ´`、| ;;;;;;; i-- ---.]〔コロ‐-;,,,,,,,,__________ / / ;; _,, -‐ ´´´ ̄.| ̄| ̄ ̄┌‐l"´ ̄ ̄ ̄ ̄`i. / ./ ,- " `、__,,./ | | └‐!________________,;|、___________________________/ ,/ ______、 ____,.- "ヤ__,,.. -‐´ __,,.. .-と=‐-ャ ``丶‐‐‐------ ;;;;;;;;;;,,,,,,=ニニ‐ ´ i ´ | ヽ__,,.. .= ""~ .|と´ / _______________,,,,,,; |ゝ (⌒) ,;==‐ "´ [二二二]__________ __,,,; -‐i‐ ´´` `O `´``‐‐‐‐‐‐フヽ二ニ=======-- ´⊂ニニ二] ヽ_|`````´ ー‐‐==[ココヽ‐、ヽγ⌒、 λ ノ ゝ__ノ ` ´ 咏「京太郎なら奈良におもちの捏ね方を習いに行くってよー!」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6381.html
エキシビジョンマッチは三尋木プロがゴミ手を和了りその幕を閉じた。 和了った本人はあまりいい顔はしていなかった。 スタイルを崩して、年下の子供たちに肉薄されて焦ったからか。 しかし勝ちは勝ちだ。 だけど彼女は呟く、京太郎君の前で。 「プロにはプロの、大人には大人のプライドがあんのさ。」 「それと同様にあたしにもあたしのプライドがあんの。」 「だから最後の和了りはすっきりしないんだよね……」 「部外者にはさっぱりわっかんねーと思うけど。」 「でもよぉ、部外者なんて知らんしどうでもいいけど。」 「あたしは納得行かない。」 詰まらない和了りをしてしまった自分がいやだったのか。 でもそんなことよりなにより彼女は強い相手を求めている。 ひりつくような打牌を、ゾクゾクするような緊迫感を味わった人間は、その麻薬のような快感を忘れられないだろう。 一度味わった快楽を忘れられず、再び快楽に身を興じるためにまた求める。 強者とぶつかり合える幸せ、だから強者は渇望する。 「だから、また打とうぜ。」 「次はちゃんと坊主のことをコテンパンにしてやっからよ。」 ギラギラと妖しい光を宿した瞳で京太郎君を見ながら三尋木さんは再戦を求めた。 京太郎君も負けじと言い返す。 「次こそリベンジしてやる。」 「それも、中学のときの分も合わせてだ。」 「跳ねっ返りなやつは嫌いじゃないぜぃ。」 福路さんも照ちゃんも次を見据えて目標を決めているようだった。 二人とも「プロになってリベンジ。」ってところかな? いいね、そういうの。 エキシビジョンマッチも無事終わって大会が終わり、長野に戻る前。 初出場で女子団体、男女個人優勝したので取材やら何やら受ける破目になりそうなのでとりあえずホテルに皆を帰して休むように言った。 と言っても遊びたい盛りなのでおとなしくしているとは思えないけど。 こっちで出来た友達もいるだろうし、何より観光したいだろうに。 若さってすごいね。 それに比べて私のバイタリティは……考えるのはよそう。 そう思っているとプロの陣営と偶々遭遇する。 というかプロが集まってるところに私が意図せず入っちゃったと言った方が正しい。 赤土プロが私を誘っている。 ふと彼女を見て京太郎君達の楽しそうに打つ姿を思い出す。 彼女では私を楽しめないだろう。 今の彼女には私の食指は動かない。 多分もう、彼女は私には届かないだろう。 わりと期待していたのに。 瑞原さんも、三尋木さんも、赤土さんも。 打ったとしても多分私だけ楽しめない。 「無いものねだり」なんてしても意味無いので、このあと普通にお茶して帰った。 長野に戻る日。 私達は忘れ物が無いか確認したあと、泊まっていたホテルから出て帰ることに。 その道すがら色々と思うこともあって、私は感慨に耽っていた。 長野に帰ったら部長の竹井さんはまだ引継ぎがあるけど照ちゃんと一緒に引退だし。 それと交友関係も広がったね。 良いお友達がたくさん出来、携帯の番号やメールアドレスなどの連絡先を交換していた。 竹井さんは各校の部長さんとか対戦した人とか。 片岡さんも何だかんだ言って人懐っこいから人に好かれやすいんだよね。 染谷さんも染谷さんで実家が実家だから愛想はいいし。 京太郎君もおっぱいに関してのことを除けば紳士的だし、コミュニケーションとか取れるほうだから。 この間言っていたんだけど、京太郎君曰く。 「少々顔がよろしくなくても胸が大きいと許してしまうのが男の悪いところ。」 だそうだ。 君はおっぱいに騙されて変な方向に行かないように注意しなよ? まぁ色々とあったけどインターハイ優勝してよかったね。 え? 宮永姉妹? 宮永姉妹は……うん。 ご想像にお任せします。 長野に戻り、休みを挟んでからの初部活。 竹井さんが引き継ぎで次期部長を染谷さんを指定した。 そして副部長は京太郎君を指名する。 まぁ順当だよね。 だって咲ちゃんも片岡さんも部長って柄じゃないし。 染谷さんが部長になって初めての仕事をする。 「さぁ、練習じゃ。」 案外あっさりとした号令だった。 三年生二人が引退したからと言って別に打たないわけでもないので結局暫くは今まで通りだった。 時折チェスやオセロ、囲碁などをやりながら秋季の大会、所謂国麻や新人大会でうちの子が優勝したりしながら季節は過ぎ行く。 そんな折、進路指導の先生からお願いされた。 「あの、小鍛治先生。」 「宮永のやつの進路なんですけど……」 何で私に…… 本来だったら担任の先生に行くはずでしょ。 まぁ付き合いが長いのもあるんだろうけどさ。 そう思いながらも照ちゃんの出した進路希望表を見て愕然とした。 1.お嫁さん 2.お菓子ソムリエ 3.麻雀プロ あの子らしいと言えばあの子らしいと言えるけど、私は波のように押し寄せる頭痛に耐え切れず、思わずこめかみを押さえた。 「小鍛治先生……お願いします。」 進路指導の先生も心配はしてくれるけど私に問題を投げた。 でも確かにこれは文句も言いたくなるね。 何考えているんだろうあの子は…… 私は問い質す。 照ちゃんに。 お嫁さんとはなんだと。 「お嫁さんってのは結婚して永久就職すること……」 違う、そうじゃない。 というかそもそも照ちゃん相手いないじゃん。 「お菓子ソムリエも突っ込みたいけどお嫁さんって相手いるの?」 「京ちゃん。」 「「え。」」 「……え?」 色んな方向から聞こえた戸惑いの声。 そりゃそうだ。 だって先輩の進路希望に自分が関係してるとは思わないだろう。 「そうか、京ちゃんまだ15歳だった。」 照ちゃんが一人納得してるけど、違う、そうじゃない。 問題はそこじゃない。 とりあえず照ちゃんを説得するために言っておいた。 「照ちゃん、お菓子ソムリエなんて仕事はありません。」 「お嫁さんも相手の同意が無いとできないからね?」 「それにお嫁さんは兼業できるよ。」 「お菓子いっぱい食べたいなら麻雀プロでお金稼いでいっぱい食べようか。」 「健夜さんがそう言うならそうする。」 何とか説得できたみたいだ。 それにしてもこのこの将来が不安である。 下手したら私がこの子のドラフト(斡旋)先を決めないといけないのかと思うと眩暈がする。 何と言うか早く立派な大人になってほしい。 もう一方の三年生である竹井さんは既に進路が決まっている。 結構有名な大学に特待推薦である。 授業料などの学費免除などの好待遇だ。 照ちゃんも一応部活動による特待推薦を取れるのだけれどプロになるのだったら関係ないよね。 三年生が部活動から完全に引退して部員が4人になってしまった。 女子三人の男子一人。 う~ん、来年二人以上入らなかったらとてもまずいことになる。 インターハイに初出場にして優勝した栄えある清澄高校が『部員不足で個人戦にしか出れませんでした。』なんてなったらお笑い種である。 ……もしかして中学校の悪夢再びなのだろうか? また変な着ぐるみを着るのはごめんだ。 その日は珍しく残暑がぶり返したのか思うほどの暖かい日で、薄着でも汗ばむ気温だった。 私は職員室で書類に目を通していた。 その中で目に止まったものがある。 練習試合がどうのという話だ。 うちもインハイで優勝したのでこういうことに関してお声が掛かることが多くなった。 申し込みが来たのは白糸台、姫松、千里山、臨海、永水、新道寺に風越。 所謂強豪校と呼ばれるところばかりである。 しかも人数ギリギリのうちとは違って部員の層も厚い。 こっちとしてはありがたい話ではあるけど。 だけどそれにしても多い。 申し出があったところ全部と打つわけにも行かないし、ある程度絞らないといけないかな。 部室に行ったときどこと打ちたいか聞いて置こう。 部室の扉を開き質問をする。 「ちょっと皆に聞きたいんだけど。」 「今度他校との練習試合したいと思うんだけど、どこがいい?」 私はリストアップした高校の名前をホワイトボードに書いていって聞いてみる。 4人しかいないので話なんてあっさり纏まるはず。 だとおもったんだけどなぁ…… 「姫松とか良いんじゃないかな。」 「そうじゃのう……臨海がええと思うんじゃが……」 「私は新道寺だじぇ。」 「白糸台とかがいいんじゃないか?」 こんな感じで中々決まらない。 あーでもないこーでもないと決めあぐねていると染谷さんが私に聞いてくる。 「全く持って決まらんのう。」 「小鍛治先生、最終的には誰が決めるんじゃ?」 「全員の意見を聞くって言っても限度があるじゃろうて。」 「う~ん、決まらないんだったら私の独断と偏見で決めてもよかったんだけど……」 「本来なら部長である染谷さんが決定権をもってるんだよ。」 私がそういうと染谷さんは少し考えて周りに聞き出す。 「全員が推す高校とその理由を聞きたい、まずは優希、おんしからじゃ。」 「新道寺女子だじぇ! 理由は花田先輩がいるからだ!」 「……優希らしい考えじゃな。」 「まぁ気心知れた人間と打つのも悪くは無いかも知れんの。」 「次、咲はどうじゃ。」 「あ、はい、私は姫松いいかなって。」 「私と当たった末原さんだっけ……が結構強かったですし。」 「ふむふむ、なるほどのう。」 「じゃ、副部長はどうじゃ?」 「俺の意見としては白糸台ですね。」 「どこも名門校ですけどインハイで出てきた三年生は既に引退しているはずですし。」 「京ちゃんにしては意外とまとも。」 「なんだとこのやろう。」 「いはい、いはい。」 京太郎君に茶々を入れた咲ちゃんがほっぺたを弄繰り回されている。 染谷さんが続きを促すとほっぺたを弄りながら説明を続けた。 「永水、千里山、新道寺、姫松はインハイに出た5人中3人が三年。」 「多少層が厚いからといってその3年生より強いのがくるかと言ったら望み薄っすよ。」 「風越は近いから割と行けますし。」 「実力的に優希に合わせるとしたら白糸台あたりがいいと。」 「おっぱいもあるし?」 「う~ん、咲。」 「俺は今真面目に言っただろう?」 「でもおっぱいでしょ?」 「それならちゃんと永水や姫松を選ぶって。」 「あそこビッグスリーの二つだし。」 「そこをあえて我慢したんだ。」 「流石に私欲で選ぶわけには行かないからな。」 「副部長としてそれなりに考えているってわけじゃな。」 「そうかそうか。」 「では東京辺りかのう……いっそのこと大阪・東京・長野・九州でぶつかるのもありじゃのう。」 そう言いながら染谷さんはケラケラ笑ってた。 流石に全部と当たるのはキツイって。 まぁさっき言ってた通り、順当なところで東京かな。 東京の高校に話を通して日程を合わせておく。 週末土日に合わせて白糸台と臨海女子にと練習試合と行こうじゃないか。 あ、そうだ。 大阪と九州にお断りの電話入れないと。 久保さんにも一応話さないとな~。 週末の金曜になり、放課後を迎えると部員を車に乗せて東京まで向かう。 今回はホテルに泊まって土日で白糸台と臨海女子を回る。 ちなみにホテルを取るときに全員同じ部屋でいいかなと?と冗談で聞いたら案外あっさりOKが出てしまった。 ただ京太郎君がデリカシーが無いと反対したので男女別々の部屋にした。 でもはっきり言っちゃうと間違いなんて起きそうに無い面子だけど。 翌日となり私と染谷さんで全員を叩き起こして身支度と朝食を済ませる。 そのあと出発するのだけど今回はまずは白糸台に向かう。 ここにはやたらと多くの人数の部員が所属している。 今現在私達は一軍が居る部室に案内されてはいるものの完全におのぼりさん丸出しである。 照ちゃんほどふてぶてしいのなら問題ないのだろうけど部員達は浮き足立っていた。 やはりなんだかんだ言ってあんな三年生でも精神的な柱になっていたんだろうね。 数少ない具材から人参と牛蒡が抜けたのは痛い。 おかげで今あるのは豚肉・葱・蒟蒻と味噌・大根である 葱は染谷さん、大根は京太郎君。 味噌は色んな意味で私。 残った蒟蒻と豚肉が誰かは推して知るべし。 対して相手側は通称虎姫と呼ばれるチーム。 チーム豚汁対チーム虎姫。 名前だけ聞いたら明らかにこっちが弱そう。 一軍、チーム虎姫の居る部屋の扉を開けるとそこには金髪の子が居た。 手にはペロペロキャンディを持ってポージングをしている。 「ふははは、良くぞ来たな清澄の!」 「だがここまで来たことを後悔させてやる!」 何でこの子は悪役風なんだろう…… そう思いながら呆気に取られているとこちらの突撃弾頭が反応してしまった。 「おのれ魔王! 両親の敵は取らせてもらうじぇ!」 「ふっふっふ、どこからでも掛かってきなさい!」 あほの子だ。 間違う事なきアホの子だ。 片岡さんと大星選手が何かやっている傍らからベリーショートの少女が出てきた。 その子がこちらにやってきて挨拶をしてくる。 「すいません、うちの淡が馬鹿なことをして……」 「ええよ、うちの一年も同じようなもんじゃから。」 「っと、その前に挨拶せんとな。」 「清澄高校麻雀部部長、染谷まこじゃ。」 「今日はよろしくおねがいします。」 「あ、申し遅れました、白糸台高校麻雀部の部長やらせてもらっています、亦野誠子です。」 「こちらこそよろしくお願いします。」 ぺこぺこと二人とも頭を下げて挨拶をする。 何か二人とも苦労人の雰囲気してるよね。 ……まぁ誰にでも悩みはあるよね。 片岡さんと大星選手を止めるために京太郎君が向かうことになった。 だが相手側も同じことを思ったらしく、大星選手を止めるために一人向かっていた。 ピンクの頭髪に大きな胸がトレードマークの原村選手だった。 「もう、淡? お客様が来たのですから少しは大人しくしてなさい。」 「えー? ノドカってば堅いよ。」 「こういうときこそもっとノリよく行こうよ。」 「まったくもう、すみません私の友人が粗相をしました。」 「いやいや、気にしてないよ、それにこっちも悪乗りしてたし。」 「私も気にしてないじぇ!」 「むしろお前は気にしろ!」 何か向こうの一年生とも仲良くなってるみたいだ。 若干京太郎君の目付きが怪しいけど同性の私でも気になるサイズではある。 そのあと咲ちゃんも混ぜて一年同士で会話している横で部長同士が会話をする。 亦野選手が染谷さんに出した提案。 「ところで練習試合の形式なんだけど……こちらは四人、そちらもちょうど四人。」 「ちょうどいい人数だから2-2で卓に着くというのはどうかな?」 「それでええよ、コンビ打ちかどうかそいつらに任せるがな。」 「おーい、一年生、これから練習試合始めるから切り替えんさい。」 「「「はーい。」」」 染谷さんの言葉にいい返事を返す一年生達、どういう組み合わせで当たるかな? といっても結構時間あるから色んな人と打てるはずだけど。 交流が始まるのだが、その前に組み合わせを考える。 まずは京太郎君と咲ちゃん、これはコンビネーションが高くてどうしようもないだろう。 一人一人のレベルが高いのにこの二人が組んだらもうどうしようもない。 2(白糸台)VS1VS1なら何とかなるかもしれないけど。 次に片岡さんと京太郎君、実はオカルト面で非情に相性が良い。 前半しか持たない片岡さんにスロースターターの京太郎君。 単純に稼ぐならこれでもいいんだけど相手が焼き鳥になりかねない。 となると染谷さんと京太郎君かな。 打ち方はえげつないけど精神的に負担は少ないし試合後は気遣いもできる。 うん、これがいいかな。 私は残った二人に対して全力で目を背けて決定した。 「京太郎君、染谷さん、卓に入って。」 「うっす。」 「わかりました。」 私の合図で京太郎君と染谷さんが動き出した。 それを見て相手側の部長さんも動く。 「じゃあこちらは私と……淡がいいか。」 「あんたたちなんてけちょんけちょんにしてやるんだから!」 とインハイの個人で咲ちゃんと照ちゃんにぼっこぼこにされた大星選手が勢いよく言っている。 威勢がいいのはいいけど足が完全に生まれたての子鹿みたいなかんじなんですけど大丈夫ですか? 試合が始まると先程とは打って変わって緊張感がある空気になった。 最初は小手調べかと思われた。 いきなり飛ばしてもつまらないだろうし。 しかし構わず全力で行った者が一人。 「淡ちゃん立直!」 大星選手のダブル立直。 しかも京太郎君達の手を見る限り『絶対安全圏』もセットのようだ。 そしてそれから五巡後、更に大星選手が動く。 「槓!」 自摸った牌を暗槓してドラを増やす。 そして次順、次の山に入ったところで大星選手が和了った。 「ツモ、ダブリー裏ドラ4! 3000・6000!」 京太郎君と染谷さんが感心したように見ていた。 大星選手の全力のオカルトを見て面白いと思ったのだろうか。 続いて東二局、大星選手の猛攻が続く。 「またまた淡ちゃん立直!」 そして次の山に入る前に。 大星選手は暗槓する。 「槓!」 そして次の山に入ると。 大星選手が和了る。 「ツモ! ダブリー裏4! 3000・6000!」 大星選手はすごくドヤ顔で和了り宣言している。 「インハイ優勝校って言っても淡ちゃんに掛かれば大した事無いね。」 あ、こいつ調子に乗ってるな? というか準決勝敗退してる時点で負け犬の遠吠えにしか聞こえない。 京太郎君がそれを聞いて言い返す。 「大星、余り嘗めないほうがいいぜ。」 「染谷先輩が本気出したらあっという間に終わるんだぞ!」 おい、やめろ馬鹿。 この対局は早くも終了ですね。 というか引き合いに自分ではなく染谷さんを出すのはどうなんだろう。 そこは格好良く自分の力で勝ってみせるぜ的なことを言おうよ。 そして結果だけが残る。 染谷さん+35300点。 京太郎君+40200点。 大星選手+8300点。 亦野選手+16200点。 ダブリーしたことによって防御が薄くなったところに突き刺さる。 『大星選手はダブリーしてから山を越すまで和了らない。』 ここがキーポイントである。 詳しいことはある程度省くけど要は『賽が8以上なら勝てる。』と言うことだ。 立直と能力にしがみついた結果がこれ一足早く言うべきだったな?お前調子ぶっこき過ぎてた結果だよ? そして今、当の本人は下唇を出して剥れている。 そこを宥めて賺して機嫌を直す京太郎君と染谷さん。 後輩が粗相をして凄く申し訳なさそうな亦野選手。 高校百年生とか言う割には小学生並みの精神年齢だ…… 第一戦目が終わり、二戦目の組み合わせになる。 二戦目のこちらの組み合わせは京太郎君と咲ちゃん。 相手側は渋谷選手と原村選手。 京太郎君が爽やかに挨拶すると相手方も返してくれる。 しかし気になるのは京太郎君の視線の所在。 原村選手の胸はかなりおおきい。 渋谷選手も原村選手ほどではないけど中々のサイズである。 立てばブルン、座ればボヨン。 歩く姿はボインボイン。 京太郎君の目線が若干上下に揺れる。 これはアウトと言えるのだろうか? 咲ちゃんの米噛みには浮き筋が立っていた。 黒か白かで言うなら松崎しげるである。 親の仇を見るよう目で咲ちゃんは対局者を見ていた。 胸が大きければ偉いってわけじゃない。 それを証明するが如く咲ちゃんは和了る。 京太郎君も対局が始まるとちゃんと雀士の顔になる。 原村選手は前に見た通りペンギンのぬいぐるみを抱きながら打つ。 渋谷選手は眉一つ動かさずお茶を啜っている。 局が進むたびにヒートアップしていく。 原村和がリアルでのどっちモードになる瞬間。 京太郎君と原村選手のスピード勝負。 咲ちゃんと渋谷選手の刈り取る対決。 だけど悲しいかな、地力が違った。 各々の対決は清澄に軍配が上がる。 一位になった咲ちゃんが小さく声を漏らしている。 「悪は滅した。」 乳・即・斬である。 と言っても相手側は何とも思ってないようだけど。 さすがクッションある人は違いますね。 だが原村選手や渋谷選手が対局終わりに挨拶しようとした時、事件が起きる。 「「「「ありがとうございました。」」」」 「あ!?」 「!?」 それは原村選手が挨拶するときに頭を下げて戻すと、はち切れんばかりのバストが衣服に負荷をかける。 ブツンと言う音。 冬服のブラウスのボタンが飛んで京太郎君の顔面に直撃したあと、跳ね返ったボタンが咲ちゃんのほっぺにぶつかって落ちた。 ボタンが飛ぶなんて初めて見た…… 「す、すみません!」 「怪我は無いですか!?」 「ははは、大丈夫だって。」 「私も大丈夫だよ。」 「すみません……」 二人とも笑顔で返していたけど咲ちゃんは目が笑ってなかった。 そのあとも入れ替わり立ち代わりで打っていたけど概ねこちらが勝っていた。 さすがに2:2でずっと打つのもなんなので3:1で打ったり逆に1:3で打ったりもしていた。 大星選手・渋谷選手・亦野選手・染谷さんで打ったり。 京太郎君・咲ちゃん・片岡さん・原村選手で打ったり。 大体そんな感じだった。 一頻り打つと休憩に入る。 京太郎君と片岡さんがぐいぐいと咲ちゃんを巻き込んで白糸台と仲良くなって行く。 コミュニケーション能力高い、私も少しは見習わないとなぁ…… そう思ってから早く、既に幾数十年である。 「でねーその時ノドカってば……」 「淡!? その話はやめてっていってるじゃないですか!」 「え~? ノドカの面白エピソードは笑いが取れるのにー。」 「私は笑えませんよ!」 「私はその話が気になるじぇ!」 「のどちゃんもどんどん曝け出すんだじょ!」 「優希まで……んもう!」 「ははは、和って印象より可愛い性格してるんだな。」 「京ちゃん、そんな言い方したら失礼だよ?」 「わりぃわりぃ。」 「いえ、よく言われますから気にしてないですよ。」 と、こんな感じに気付けば打ち解けあって談笑していた。 すっかり一年生達は仲良くなっている。 一方二年生は完全にまったりモードに入ってお茶を啜っている。 学年は一つしか違わないはずなのに何でそんなに老け込んでいるんだろう…… 日が後半に入り、腹ごなしに私も時々参加することにした。 一応他校の教職員であるとは言え、指導してはいけないとも言われて無いので問題ないはずだ。 私の卓に一緒に打つ人は結構限られていた。 染谷さんと片岡さんは完全に敬遠状態。 入る気はさらさら無いといった感じか。 京太郎君と咲ちゃんは打ちなれているせいか変わりばんこに入ってたりしていた。 「結構私って人気者なんじゃないかな?」と勘違いして調子に乗りそうなる。 指導のとき、白糸台の選手は私の言うことに耳を傾けて実践していた。 素直なのはいいことである。 一日の最後に締めの一局を打つことに。 卓に着いたのは亦野選手・原村選手・京太郎君に私だった。 二人とも私から言われたことを守って打っている。 順位は亦野選手がラスだったけど。 原村選手が終わりの際に凄い笑顔でこう言った。 「今日は最後に楽しく打ててよかったです。」 「ああ、俺も。」 「……うん、そうだね。」 「?」 原村選手の言葉を受けた亦野選手の表情が翳っている。 それを見た私と京太郎君の頭に疑問符がついたけど答えは出ない。 原村選手は続ける。 「最後に良い思い出ができました。」 「高名な小鍛治プロと打てましたし、良い友達も出来ました。」 「和、最後の思い出って?」 「その、実はですね……」 「私、麻雀部を辞めようかと思うんです。」 「前から父に麻雀部より勉強を優先しろと言われてまして。」 「その時に、実は父と約束していて……インターハイで勝ったら麻雀を続けて良いって……」 「でも、個人戦でも、団体戦でも良い成績は残せませんでした。」 「だから私は……」 成り行きとは言え込み入った事情を話すけど徐々に消え入りそうになって行く原村選手の声。 亦野選手は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。 今の白糸台の部長は彼女だ、恐らく事情は聞いているのだろう。 京太郎君が何を思ったのか原村選手に声をかけた。 「……和の羽は綺麗だな。」 「……え?」 「和が打つとき……飛ぶときに、俺には綺麗な羽が見えた。」 「白くて、光った羽だ。」 「でも……飛べなかったんです、私……」 そう言った原村選手はぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。 まるで自分の無力を押し殺すように。 京太郎君はなおも続ける。 「ああ、綺麗な羽なのに、傷一つ無い羽なのに飛べてなかったな。」 「……何が言いたいんですか?」 「なぁ、エトペンって知ってるよな?」 「はい、大好きなんです。」 「小さい頃はよく絵本を読んでいました。」 「そうか、だったら話は早いな。」 「ペンギンだったけどエトペンは飛ぼうとしていたぞ。」 「例え自分が飛べない鳥だとわかっていても。」 「ペンギンが綺麗な嘴に憧れて、足掻いていた。」 「和は立派な羽があるのに足掻かないのか?」 「私は……」 「足掻かないで後悔するより足掻いて後悔しろよ。」 「俺はずっとそうしてきた。」 「そしてこれからもそうする。」 「決めるのは原村和だ。」 「決めるのは俺でもない、周りでも親でもなくて、和自身だ。」 「私は……」 戸惑った原村選手が俯いてしまった。 だけど京太郎君は構わずまっすぐ原村選手を見据えて問いかける。 「敢えて俺は聞くぜ……原村和はどうしたい?」 「私は……」 「私は、麻雀が打ちたい。」 「例え父に反対されても、私は麻雀を打ちたい。」 「なんだよ、答えが出てんじゃねぇか。」 一つの決意をした原村選手に京太郎君はすぱっと言う。 「ええ、こんな簡単な答えが引き出せなかったなんて……」 「亦野部長、この間の退部届けですが……」 「ああ、これね。」 そう言って亦野選手が取り出した一つの封筒。 亦野選手は原村選手に渡して言い放つ。 「これは返すよ、破って焼却炉にでも入れちゃいな。」 「はい、面倒おかけしました。」 「いいって。」 亦野選手は笑って言っていた。 原村選手が京太郎君に向き直って宣言する。 「今日はありがとうございました。」 「でも次に会うまでにはもっと強くなって清澄に勝ちます。」 「おお、言ってくれるな。」 「だけどうちの女子はかなり強いぞ?」 「ええ、わかってます。」 「でも挑戦者の立場って燃えるじゃありませんか。」 「それには同意できるな。」 「それと……」 「貴方にも勝ってみせますよ。」 「負けっぱなしは悔しいですから。」 「おう、いつでも受けてやるよ。」 二人の爽やかなやり取り。 お姉さんにはちょっとフレッシュすぎて付いていけない。 「また来なさいよ!」 「また来るじぇ!」 片岡さんと大星選手はそんな別れの挨拶をしていた。 白糸台との練習試合を終えて疲れのたまった体を動かしホテルに引き上げる。 今日は中々に楽しかった。 一人の麻雀少女を救ったし気分もいい。 今夜はいい夢が見れそうだ。 明日は臨海女子と練習試合だ早めに就寝しておこう。 朝になり全員に朝食を取らせて支度させると臨海女子に向かう。 今更ながらではあるけど女子高に京太郎君を連れて来てよかったのだろうか? しかも相手はあのアレクサンドラ監督である、警戒しなくては。 女子高だから大丈夫だとは思うけど京太郎君にも目を配りながら臨海女子の部室まで向かう。 部室までの道をずんずん進み、戸を開けるとそこに待っていたのはパーティの準備をしている浮かれた外国人4人だった。 「……間違えました。」 「Stop! Just a moment!」 「これは貴方達を歓迎するために用意したんですよ!」 「やっぱり受けが悪かったね。」 「ね。」 「え~……」 パーティーキャップを被ったアレクサンドラ監督が部員の槍玉に挙げられてるところを他所に片岡さんは色々と料理を見ている。 何故料理を用意してあるのか、何故それを食べようとしているのか、何故京太郎君にタコスを作らせて振舞おうとしているのかは理解に苦しむ。 「えっと、とりあえず挨拶をしておきます。」 「顧問の小鍛治健夜です。」 「質問、プロって稼げるの?」 「トップランカーなら稼げるよ。」 「国内だけなら年で1000万くらいだけど世界や大きいタイトルでなら億は簡単に稼げるからね。」 と不意に聞かれた質問に答えるとそこには指折り数える少女が居た。 彼女は確かネリー選手だったはずだ。 何でもグルジア出身でお金が必要らしい。 グルジアって確かスターリンの出身国だっけ? 世界中のあちこちに行く機会は多いけどあんまりわからない。 そのあと私達は軽く自己紹介して練習試合をすることにした。 「こっちは今三人しか居ないので足りなかったら私も入ることにする。」 そういうアレクサンドラ監督の目にはどこか楽しげな光が宿っていた。 私は用意されたお菓子を食べながら観戦していた。 京太郎君と咲ちゃん、ネリー選手と臨海監督が入っている。 もう一方の卓は染谷さん・片岡さん・ハオ選手・雀選手が入っている。 というわけで私は今絶賛暇中である。 コアラのマーチを食べ終わると次のお菓子を開けてまた観戦。 咲ちゃんたちの卓を眺めながらお菓子を食べる贅沢。 正直ネリー選手にはキツイ卓だろうね。 監督さんはプロレベルの腕前っぽいし。 京太郎君も咲ちゃんにもいい経験だけど監督さんの目が野獣の眼光のそれである。 よかった、外国枠だからと言って森の妖精が乱舞しなくて。 あ、このお菓子おいしい、今度照ちゃんに買って行ってあげようかな。 そのあと特に面白くもなく対局は終わる。 実力がハイレベルな卓は一方的な搾取が始まり、ネリー選手はいいカモとなっていた。 誰が最初にネリー選手をトばすかの黒髭危機一髪のチキンレースである。 ちょっとかわいそうだけどこれ勝負なのよね。 もう一方の卓は染谷さんが一位で片岡さんが三位。 流石ランカーと言えばいいのか、うちの子相手に雀選手は二位であり、一方のハオ選手はラスを引いている。 若干涙目のハオ選手は「中国麻将なら負けないのに……」と呟いていた。 残念、ここは日本だ。 振聴も立直もあるんだよ。 私からしてみれば特筆すべき点はなかったけどそれでもお互いの生徒にはいい経験になったであろう。 帰りの際、アレクサンドラ監督が京太郎君に声をかけた。 「ねぇ、キョウタロウだっけ?」 「君、強くなりたい?」 「ええ、それは勿論。」 「強くなりたいなら餓えるべき。」 「そして食べたものは必要なところにまわす。」 「ただそれだけ。」 「精々餓えなさい。」 「……肝に銘じておきます。」 「出来るだけ気高く餓えるように。」 とはいえ京太郎君は既に餓えている。 三尋木さんと打ったあのときから。 そういえばアレクサンドラ監督は貪欲だけど胸やお尻に脂肪が回らないって聞いた。 私と違ってスレンダーだなぁ…… 白糸台、臨海女子と練習試合をして長野に戻ることにした。 今回の遠征で目標や成すべきことを見つけられているなら及第点と言ったところか。 既に私の教え子兼君達の先輩達は目標を見据えているよ。 そして長野に戻って少しするとブラックデーがやってくる。 そう、11月7日である。 私はこの日で瑞原はやりプロと同年齢になってしまった。 いや誕生日迎える度に同じ年齢になるんだけどさ。 でも瑞原はやりプロが事務所の方針とかで23歳と名乗るなら私も必然的に23歳を名乗って良い訳で。 ちなみになぜ23歳かと言うと流石に17歳は厳しいけど23歳だったら「あれ? 事務所でそういう風に言えって言われてるのかな?」って思われるかもしれないし。 まぁなんなら27歳(と12ヶ月)とか26歳(と24ヶ月)とか名乗ればいいんだし。 ああ、そういえば京太郎君や宮永姉妹が祝ってくれたよ、「28歳の誕生日おめでとうございます。」って…… 三桁超えた頃から考えちゃいけないと思った。 それから更に暫くすると正月がやってきて、お年玉と称して麻雀を教え込んでおいた。 照ちゃんは確実にこのあと役に立つからいいでしょ、プロコース一直線だし。 プロコースと言えば福路さんも進学ではなくプロに進むらしい。 この間の25日に教えてくれた。 え? クリスマス? 何それおいしいの? 更に時節は進み迎える2月2日。 私が今回用意したのは新しい巾着袋とマフラーである。 もう毎回こんな感じになりそうで怖い。 だって男の子って何が好きなのかわかんないんだもん。 まぁ京太郎君が喜ぶならそれでも良いのかな? そしていつかは迎える卒業式。 照ちゃんと竹井さんは卒業生として。 一年生二年生の後輩は在校生として。 一年間とは言え、竹井さんとお別れは結構寂しいものである。 竹井さんのことだし進学先でも上手くやるとは思うけど頑張るんだよ。 照ちゃんは福路さんと同じところだってさ。 悪い人に騙されそうな福路さんに。 お菓子に釣られてどこか行きそうな照ちゃん。 お互いで穴を埋めてくれればいいんだけど。 それでもどうしようもないなら私が何とかするよ。 同じ事務所だから。 皆が一年繰り上がり、染谷さんは上級生として。 咲ちゃんたちは二年生として後輩を迎え入れることになり。 そして照ちゃんと福路さんは佐久フェレッターズで新入りとして働くことになる。 今回のミッションは進入部員をなんとしても迎え入れることである。 最低でも女子二人。 でないと女子団体が出場すら出来ない。 大丈夫、今回は中学の時とは違って片岡さんと染谷さんが居るんだ! きっと進入部員が入れ食いに違いないよ! 笑うがいいさ。 見事に惨敗した無様な女の姿を笑うがいいさ! 笑えよ…… とは言え一応新入部員はきてくれた。 加藤ミカに室橋裕子、片岡さんの後輩。 元々先輩を追っかけてきたので清澄に入る予定だったらしいし確定事項だったとの事。 あ~……よかったよ~…… 京太郎君と咲ちゃん話している。 「あー、よかったー。」 「今年は中学のようなことにはならなくて。」 「そうだな。」 「京ちゃん余り嬉しくなさそうだね?」 「新しく出来た後輩が嬉しくないの?」 「男子が一切入ってこないことを考えなければ嬉しいかな。」 「結局俺は去年同様団体戦出れない。」 「京ちゃんのレベルならワンマンチームになっちゃうよ。」 「かもな。」 「でもたまには咲たちと同じ目線に立ってみたいよ。」 「そんなものなの?」 「ああ、そんなもんだよ。」 京太郎君、個人戦確定です。 でもね、無理だよ。 男子で団体戦なんて。 男子で麻雀やってる子は別のところに行くだろうし。 そもそも去年の暴れっぷりを見るにハードル高く感じちゃうだろうね。 そんなこんなで新しく入った加藤さんと室橋さんを迎えて新たに始動である。 っとその前に歓迎会をしなくちゃ。 皆が仲良くなるのにはコミュニケーションだよね。 だから歓迎しよう、盛大に。 加藤さんと室橋さんを固定で歓迎卓を始める。 最初は部長の染谷さんに二人の先輩の片岡さんが入る。 見た感じ、加藤さんの打ち方はオーソドックスな打ち方。 室橋さんはやや染谷さんに近い感じだろうか。 片岡さんのロケットスタート、染谷さんの老獪な打ち回し。 それを相手にどこまでやれるのかな? 片岡さんが逃げ切り一位。 染谷さんが余力を残して連帯二位。 加藤さんは三位で室橋さんはラス。 戦力差に圧倒的な開きがある。 片岡さんは元々オカルトがあったとは言え、ある程度打てていたけど弱かった。 今でも計算処理は怪しいけどそれでも一年前から比べて相当に地力を上げている。 片岡さんは負けん気が強いから同年代の周りの存在に触発されて居たのも要因だろう。 染谷さんのほうは膨大な牌譜を覚えていてそれを元に打っている。 だからこそ私は去年に初心者の打ち方や特殊な打ち方を模倣して染谷さんに覚えさせた。 それにプラスして人の対応の仕方にあわせてこちらが打ち方を変えるという芸当を教えている。 今では染谷さんの打ち方も様々な方法になっている。 要は二人は強くなった。 それも一年前とは比べるまでもなく。 新一年生さんたちは圧倒されて手も足も出なかったって思っているようだ。 でもね、これからだよ? 私の愛弟子二人は更に格が違うから。 それを肌で体感しなさい。 多分二人はAランクのプロではどうにもなら無いレベルだよ。 対局はあっさりと終了。 東3局で室橋さんのトび終了だった。 「「ありがとうございました」」 「くっそー……咲に負けた。」 「まぁそんな簡単に負けるわけには行かないからね。」 「京ちゃんが加速しきる前に勝たせてもらったよ。」 私は新入生に声をかけた。 負け癖をつけてもらっては拙いけどしっかり自分の実力を見定めてもらわないとこの先生きのこれない。 「室橋さんに加藤さん、打った感じどうだったかな?」 「これが全国レベル……なんですね……」 「私達に務まるんでしょうか……ここの部員が。」 「う~ん、二人とも片岡さんの事知っているよね?」 「はい。」 「貴方達もやる気と練習を積めば片岡さんレベルにはなれるよ。」 首肯した二人に対してあっさりと言ってのけてあげた。 しかし私の言葉を受けても尚、俄かには信じられないのか戸惑っていた。 そういうときにフォローを入れてくれるのが先輩方である。 「大丈夫じゃ、優希なんぞ未だに計算が怪しいからのう。」 「そうそう、優希なんて俺が作ったタコスが無いと弱いしな。」 「そうだよ、優希ちゃんは入ってきたとき初心者と大して変わらないのに猪武者なんてあだ名で……」 「なんで私ばっか集中砲火食らってるんだじょ!?」 「ふふふ。」 「あー! 笑いやがったなお前ら!」 「すみません!」 室橋さんも加藤さんも笑っている。 そしてそれを弄る片岡さん。 思った以上に仲がよくなるの早い。 やばい、私がむしろやばい。 コミュ力足りてないのばれちゃう。 咲ちゃんもこっち側の人間なのに京太郎君という楯があるからかコミュ力のなさが表立っていない。 完全に私ぼっち…… 今までを思い起こすと今更だった。 ある日事務所に行くと社長が頭を抱えていた。 一体何事かと思ったら福路さんが教えてくれた。 「社長うんうん唸ってるけどどうしたの?」 「あ、何でも今度の団体戦のオーダーに悩んでいるようでして。」 「それで監督(社長)は小鍛治先生が来るまで待ってたんです。」 「ふ~ん、なるほど。」 「わかった、社長にちょっと話してくるね。」 「あと、福路さん。」 「はい?」 「ここで小鍛治先生はやめようよ。」 「あら、すみません、中学の時の癖がつい。」 「でも、私の中では小鍛治さんが今でも麻雀の先生なのは変わりませんから。」 「……その厚意は受け取っておくね。」 うん、悪い気はしないけど一途って言うより結構重い子だった。 照ちゃんのお世話なりなんなりしてるから『ダメな子育成機』な部分が目立ってたけど結構重い。 あとおっぱいもおもい。 そのあと私は社長の元に行ってオーダーの進言しといた。 先鋒・照ちゃん、中堅・福路さん、大将・藤田さん。 次鋒と副将は適当に入れてって言っておいた。 ちなみに私はこの間(咲ちゃんたちが一年生のとき)のオリンピックで派手に暴れたので少しお休みである。 そういえば何故か私は靖子ちゃんのことを「藤田さん」と呼んでいる。 それには理由があるのだけれど、私は元々知り合いだったけれどこっちの靖子ちゃんは私との面識は無いから「藤田さん」と呼び始めてそのままなのである。 そういえばいつだったか本で読んだんだけど…… 下の名前で呼べるようになったらお互いの親密度があがっている証拠なのでアタックしてみましょう。 というもの。 あれはうそだよ。 一回試してみたけど見事にお見合い失敗したもん。 というか思い出した。 どこかで読んだと思ったら私が昔書いた本のネタだった。 私は過去の私に騙された! それから数日して部活でこんな話が出てきた。 それは折りしも偶々染谷さんが家の手伝いでいなかった日だった。 そんな時京太郎君が卓に入って打っているメンバーを傍から眺めながら私に言ってきたのだ。 「合宿、しませんか?」 「もしかして去年と同じように?」 「ええ、去年県予選前に合宿所に行ったじゃないですか。」 「だから今年も行っておきたいなって。」 「ミカやムロの強化もしないといけないだろうし。」 その言葉が出た瞬間加藤さんと室橋さんが肩をピクリと動かしていた。 びっくりしすぎでしょう。 「染谷さんには?」 「部長はそろそろそんな時期かと言ってました。」 「というより言いだしっぺは部長です。」 「そっか。」 「じゃあ県予選前合宿しようか。」 私がそう言うと室橋さんが小さく言った。 「遺書書いておかないと……」 何もそんなに悲観しなくても…… そして来る合宿の日、荷物と部員を学校の車に詰め込んで出発。 引率をしている顧問ですが車内の雰囲気が最悪です。 片岡さんが京太郎君にイチャイチャ漫才しかけて咲ちゃんが泥棒猫役でキレかけている。 新一年生は萎縮しているし染谷さんは我関せずを貫いている。 何より空気を最悪にしてるのは甘ったるい漫才の雰囲気を当てられてイライラしている私だった。 更年期はまだ来てない。 あと月の物でもない。 ただちょっとイラッて来てるだけ。 京太郎君は片岡さんじゃなくて私に構うといいよ。 それと小鍛治健夜は絶賛彼氏というか旦那さん募集中です。 部員の中に「家事が得意で年上OKで浮気癖やDV癖も無くてそんなに理想も高くなくてフリーのイケメン」の知り合いはいませんか? もし知っていたら私に教えてください。 小鍛治健夜(28)は今丁度、熟れ時ですよ。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4408.html
――清澄部室 京太郎は語る――その日ほど、清澄高校麻雀部に入部したことを後悔した日はなかった、と。 京太郎「ちわーっす」 咲「あ、京ちゃん、遅かったね」 京太郎「おー、ちょっと掃除が長引いてさ」 和「お疲れさまです、須賀君」 優希「ご苦労だじぇ!」 まこ「茶でも飲むかの?」 いつも通りの面々との会話。 ここまでは平常……何ら変わりなし。 京太郎「……と、ところで部長は?」 微かな気まずさを滲ませながら聞く。 咲「部長はまだ来てないよ?」 和「たぶん、生徒会のお仕事があるんだと思います」 京太郎「そ、そっかー、ハハッ……」 例の一件――秘蔵のえちぃ本を発見され、からかわれたのが土曜日。日曜を挟んで、今日が久と初めて顔を会わせる日となる。 京太郎(いや、確かに美味し……ヤバいシチュエーションにはなったけど、何もなかった。何もなかったらなかったんだから、こんなに緊張する必要なんてねえし!) 何を勘違いしたのか、きつく目を瞑ったまま待機してしまった久に対して出した言葉。 ――ぶ、部長、こーいうのは場の雰囲気に流されて、ってのはダメですよねやっぱ!? 妙にしおらしくなった久を見送り、その後丸二日、モンモンと過ごす羽目になったのは、京太郎の若さゆえか。 京太郎(帰る時の部長……めちゃくちゃ可愛かったです、はい) 真っ赤な顔を俯かせ、小さく―― 久『――――じゃ……また部活で。バイバイ……きょ、京太郎君』 そう言い残して去った久の後ろ姿を思い出し、ニヤけそうな口元を押さえる。 咲「さっきからどうしたの京ちゃん?顔赤くしたり、ニヤニヤしたり、キョロキョロしたり……」 じー、と疑わしげに、また同時に心配そうに咲が顔を覗き込んでくる。 京太郎「な、なんでもないって、いや、マジで!」 咲「うーん……ホントかなあ?」 まさか咲に、久といい雰囲気になったなど言えるはずもなく、必死に何もないことをアピールしておく。 優希「咲ちゃん、京太郎が変なのはいつものことだじぇー!」 和「優希ったら……ゴメンなさい、須賀君。優希、口下手だから」 優希「ちょっ、のどちゃん!?その生温かい目はなんだじょ!?」 和「フフッ、なんなんでしょうね?」 優希「じぇー!?」 まこ「にしても、いつもにまして遅いのう、部長の奴」 京太郎が加わって一気に賑やかになる中、まこが心配するように呟いたタイミングで、久が部室の扉を開けて現れた。 久「ご、ごめん、ちょーっと遅くなっちゃった……」 京咲和優ま「あ、部ちょ………………え?」 声をかけようとして、一同絶句。 一瞬、何に違和感を覚えたのか理解できず、思考が止まったのだ。 妙に久の声に元気がなかったのもそうだが、何より一同を口ごもらせたのは彼女の髪型。 久「……ぇ、えっと、ど、どうしたのーみんなー?」 目をそらして何でもない風を装う久の顔色は赤く、明らかに自分が場を混乱させている原因だと理解している。 それもそうだろう、彼女の今の髪型は、普段であれば対局で集中する時にしか見せない――――おさげになっていたのだから。 まこ「……とーしたんじゃ、そがー急に髪型変えて?」 久「ふえっ!?ちょ、ちょっとした気分転換よ、気分転換!」 困惑する一同を代表して質問したまこに、あからさまに狼狽した答えを返す久。 まこ(あやしいのう……) 和(怪しいですね……) 優希(ペロッ……この味、事件に違いないじぇ!) 咲「部長どうしたのかな、急におさげにして。ね、京ちゃん……」 京太郎「ハハッ、ソーダナナンデダローネ」 咲「きょ、京ちゃん?どうしたの、なんか顔色悪いよ!?」 京太郎「ナンデモナイノヨー」 咲に肩を揺すぶられながら、何でもないと主張するが、青ざめた顔色と不自然に震える体が全てを台無しにしていた。 久「さ、さあー、少し遅くなっちゃったけど部活、始めましょうか!」 咲「え?で、でも部長、京ちゃんが……」 まこ「調子悪いんなら、帰って休んだ方がええぞ?」 和「無理は禁物ですよ」 優希「風邪うつされたらたまらないから、犬はさっさとハウスだじぇ!」 京太郎「え?あー、あぁ、うん……」 何だかんだで心配はされているのだろう、素直ではないが優希にまで帰宅を促され、無意識に頷く。 京太郎「部長、ちょっと……気分がすぐれないし、今日は帰って――――」 久「ぇ……」 絶望。 そんな表情を久に浮かべられた。 反射的に前言を撤回。 京太郎「ィ、イヤー!?俺ってば全然元気だし、やっぱり練習していきてえなー、なんて!」 咲「京ちゃん……?」 京太郎「聞くなっ……今は何も聞かないでくれ……!俺のことを思うのならっ……!」 ざわ……ざわ……と人のどよめき声を発声させながらの懇願。 逃避……その場限りの責任逃れ……! 触れれば火傷する……分かっているからこそ、あえて見ぬフリ……!! 久「…………」(チラッ……チラッ……! 髪型を変えたことへの反応を求めるように時折、こちらを窺ってくる久を意識せぬよう、殊更対局に集中して―――― まこ「さて、オーラスじゃのう」 優希「うー、やっぱり南場は調子でないじぇー」 咲「頑張れ京ちゃん、逆転の手は残ってるよ!えと、リンシャンカイホウとか、四カンツとか?」 まこ「カンする以外の方法はないんかい」 和「……須賀君、なかなかやりますね」 まこ:33900 和:29500 京太郎:23500 優希:13100 京太郎「なん……だと……?」 ――時間が跳ばされました。時空操作系の能力と思われます、以上。 まこ「いやあ、久しぶりにガッツリ練習できたの!」 優希「ううぅー、最後親ッパネが決まってたら勝てたのにー!」 咲「え、と、惜しかったね京ちゃん。もうちょっとで二位だったのに」 和「そう簡単には負けてあげませんけど」 咲「やっぱりカンしなかったからだよー。三元牌二つも暗刻してたんだから!」 京太郎「咲……俺、お前と違ってカンすりゃツモ和了れるみてーな能力ないからな?」 咲「む、それってどーいう意味?」 和「分かってないみたいですね」 まこ「分かっとらんのー、百パーセント」 優希「咲ちゃん、ある意味鬼畜だじぇ」 咲「え?ええ?」(オロオロ 京太郎(凡人の苦労を分かれ、って言ったとこで無理だろうなー) 窓の外、暮れた夕空に寂しそうな笑みで浮かぶ末原恭子に、共にめげずに頑張ろうとエールを送る。 咲「きょ、京ちゃん、私なんか変なこと言ったのかな?も、もしかして、嫌な思いさせちゃってたのっ……?」(オロオド 京太郎「そんなに怯えるなって、ちょっとした感性の違いって奴だから」(ナデクリナデクリ 咲「ぁ、うん………………エヘヘヘ」(フニャリ まこ「溶けよった」 和「とろけてますね」 優希「タコスソースもビックリだじぇ」 ドラゴンなんかを手懐けた人って、こんな気分だったのかな、と思わなくもない。 京太郎「……じゃ、じゃあ区切りもいいし、みんなそろそろ帰りましょうか!」 咲「うんー」(フニャン まこ「ほうじゃの」 和「はい」 優希「おー!」 話を進める。 話柄を転じる。 話題をそらす。 京太郎(……ここまでは計画通り) 残る一人――久に声を掛ける。 京太郎「え、えっと、部長も一緒に帰ります……か?」 久「……………………」(じっ…… 京太郎「……ゴクリ」 焦燥に苛まれながら、久の答えを待つ。 気分は伸るか反るかの大博打。 はたして、久が固く結んでいた口を開く。 久「……え、ええ、いいわよっ!」 顔を赤くしながらの同意。 まこ「ほんまに今日の久はおかしいのう」 和「らしくなさすぎてオカルトですね」 優希「きっとタコス力が切れたんだじぇ」 咲「ゆ、優希ちゃんじゃないんだから……」 そうしてみんなが好き勝手に話す中、久の京太郎に対する爆弾が落とされた。 久「そ、そそ、それじゃあ途中まで一緒に帰りましょうか、京太郎君!」 京太郎「……ア」 咲和優ま「……………………京太郎君?」 なるほど、時が凍らせるというのはこういうことか。 今度、千里山の怜に会ったら自分も時を操れたと言おう。 そう思った。 まこ「なんか変じゃ変じゃ思っとったが……部長がおかしかった原因はお前か、京太郎?」 ガッシと肩を掴んでまこ。 和「そういえば、対局中にチラチラと須賀君の様子を窺ってましたね、部長」 顎に指を当てて、少し前の光景を思い出しながら和。 優希「髪の毛弄りながら犬を見てた部長、なーんか色っぽかったじぇ?」 笑顔に剣呑な影を這わせて優希。 そして―― 咲「きょ、京ちゃん……え、えっと、その……も、もしかして今日、様子が変だったの、部長と……何かあった、からなの?」 カタカタ壊れかけのブリキ人形のように震えながら咲。 和「ほら、宮永さん、こっちで少し休みましょうね」 優希「咲ちゃんにこっから先の話は酷そうだじぇ……」 一番重症な咲を和と優希で手を引いて、仮眠用のベッドへ連れていく。 まこ「ほんで……お前さんらに何があったんじゃ?」 正直、あまり聞きたくないと、頭痛を堪えながらまこが尋ねるのに、京太郎はどう答えればいいのやらと途方に暮れ、そして久はというと。 久「ちょ、ちょっと……人に聞かれるのは……は、恥ずかしいかも」 京太郎(ちょっと部ォォォォォ長ッ!?なに頬押さえて顔赤らめてんですかぁぁぁぁぁっ!?) 羞恥に頬を染めた艶やかな表情に、聞く者の背筋を震わせるような色っぽい囁きを漏らしていた。 内心、コレを自分の部屋にいる時にやられていたら危なかったとそら恐ろしく感じながら、誤解を解かなくてはとまこに弁解しようとして気付く。 まこ「……………………」 京太郎「そ、そんな……気を、失ってる?」 いつの間にか、京太郎の服の袖を軽く摘まむようにして持つ久の、目に見えざる脅威によってか、まこはただ呆然と立ち尽くしていた。 久「な、なによ……そんな反応することないじゃない……?」 京太郎「ぶ、部長……」 いつもよりも幼く感じるおさげ姿に、色っぽさと儚さを兼ね備えたか弱い態度。オプションにすがるような袖ちょん掴みときた。 変ではないが、反則ではある。 やけに熱くなった鼻を押さえつつ、呼吸を整える。 久「あの、さ……やっぱり今の私、変……かしら?」 自分でも、いささか調子が狂っていることを分かっているのだろう、少しばかり申し訳なさそうに久が目を伏せる。 久「ごめん……あの時、京太郎く――須賀君が調子に乗った私への仕返しでああいうこと言ったりしたっていうのは、分かってるつもりなんだけど……」 徐々に赤みを増していく顔。 耳まで赤くなったところで、これ以上の醜態を見られたくないと思ったのか、京太郎の肩に額を押しつけるようにして顔を隠して話す。 久「…………須賀君は、私に名前で呼ばれるの、やっぱり嫌かな?」 わざわざ、これまでの呼び方に戻してからの問い掛け。 京太郎(――――ああ) 望ましくない答えに怯えたか細い声に、天井を仰ぎ見てある種の諦念を抱く。 ――――これはもう、俺……ダメかもしんねえ。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4410.html
洋榎「ちゅうわけで、今日はうちらと初めての共同作業やでー」(エイエイオー 京太郎「すみません洋榎さん、意味が分かりません!!」 洋榎「えー、そこは初めての共同作業はケーキ切る方がええです、ぐらい言いやー」 京太郎「ケ、ケーキ切るって……いきなり何求められてんですか、俺!?」 絹恵「お姉ちゃん、それ難易度上げすぎ……」 絹恵「スーさんもビックリしすぎやよ……嫌なんか思うで」下から顔覗き込み(須賀京太郎だからスーさん……なにもおかしくはない 京太郎「ぅ……す、すみません」 京太郎(う、うはぁ……!!前屈みになることで、ただでさえ豊かなオモチが強調されて……す、すばらっ……!) 洋榎「……コラー!いつまで絹とイチャクチャやってんやー!」(地団駄 絹恵「べ、別にイチャクチャなんてやってへんよー……な、なあ、スーさん?」 京太郎「(オモチ……眼福でした)もちろんですとも」(キリッ 洋榎「お、おお、そーかー、分かっとるならええねん、分かっとるなら」 洋榎「ほんなら、今日のミッションの発表や!ここはうちらのお母さんのじいちゃんのイトコの弟のマブダチの妹の旦那さんのばあちゃん家の畑や!」 京太郎(最初の方ですでに他人の関係になつまてるんですけど、いいんですか?)(コソッ 絹恵(あ、あんま気にしたらアカンよ、たぶん)(ドキッ 洋榎「……だーかーらー、うちに喋らせといてイチャコラすんなっ、ちゅうねん!そんなんすんなら、今日のミッション教えてたれへんでー!」(ギャオー 京太郎「ああ、また駄々っ子モードに……」 洋榎「―――まあとにかくや、うちらで今日はここの畑を耕すっちゅうわけよ」(飴ちゃんペロコロ 京太郎「常備しといてよかった、飴玉」(フゥ 絹恵(お姉ちゃんの扱い方が子供向けすぎやで、スーさん……)(ナンダカナー 京太郎「とりあえず、二人がカウガールっぽい格好してる理由は理解しました」 洋榎「そーいう京太郎はつまらんジャージ姿やの、ガッカリや!」 京太郎「普通、動きやすい服装で、って言われたらジャージ着てきますって……」 京太郎「それはさて置き、ここを耕すんですか…………………………うん、フツーに校庭レベルですね」 洋榎「泉州名産の玉ねぎ畑やからな!」(水なすもあるで 絹恵「これでもちっちぇなあー、とか思てる人おるんがいながらにの怖いとこです」(誰のことかは察してや 京太郎「今日一日で終わるんですかね、コレ」 洋榎「それは京太郎の頑張り次第やな」 絹恵「私らも頑張りますんで、一緒に気張りましょーや」 京太郎「絹恵さんも……一緒に?」(ざわ……! 京太郎(……畑耕す→鍬を振る→オモチが揺れる→オレシアワセ) 京太郎「ククッ……面白いっ……。限界までいく……パイ、じゃなかった、倍プッシュだっ……!」(ざわ……ざわ…… 洋榎「おー、気合入ったみたいやな」 洋榎「ま、まあ?ちゃんと頑張ってくれたら、うちがご褒美用意したってるから……頼んだで!」 京太郎「ククッ……分かりました」 この時京太郎、意外に素直っ……! それも当然っ……京太郎の頭の中は、揺れる絹恵の胸一色……! 洋榎「馴れてへんから、ちょい不格好な感じになっとるけど、あ、味は問題ないはずやから、うん……」(ゴニョゴニョ 攻めるっ…………ここぞとばかりにっ……! 京太郎(絹恵さんのオモチ、揺れる……上下にっ……!なんて魅惑的……魅了されるっ……されざるを得ないっ……!) が、届かないっ……! 聞いていないっ……洋榎の照れながらの言葉をっ……! 悲劇っ……まさに悲劇っ……! これが『持たざる者』が背負わされるハンデっ……! 京太郎「よーし、頑張りましょうっ、洋榎さんっ!絹恵さんも!!」 絹恵「う、うん、そやねー」 洋榎「…………せやなっ!」(クワッ 洋榎(うぅ、あっさり人の話、無視しよってからに……)(ションボリ 洋榎「ほなら、サクサク掘り返していくでー」(ザクッ 絹恵「オ、オー!」(サクッ 京太郎「ククッ、構いませんよ……!」(ザクッ 広大な農地に振り下ろされる鍬……! 黙々と繰り返される単調な動きは、容易く労働者の意欲を削る……! 洋榎「せいやー!ほりゃー!…………飽きたー!」 絹恵「ええっ!?まだ始めて十分しか経ってないよ、お姉ちゃん!」(サクッ 京太郎「………………」(ザクッ……ザクッ……! 開始十分。 洋榎、まさかのリタイア宣言っ……! 洋榎「だってなー、よー考えたらこんな広いとこ人力でどーにかしようってのがおかしいんよ。こう、トラクターでガーッとやってバーッと終わらせたらええんよ!」 絹恵「それはそーかもしれんけど……うんしょ、よいしょっ」(サクッ……サクッ……! 京太郎「ククッ……クククッ!」(ザック……ザック……ザック……!! 愛宕姉妹のやり取りを余所に、京太郎、異質の動きっ……! 緩まない鍬の振りっ……繰り返す、的確に畑の急所に突き立てる……! 耕されていくっ……程よい固さっ、水捌けのよい土へと……! 洋榎「…………なんや、めちゃくちゃ張り切ってんなー、京太郎の奴」(ホヘー 絹恵「ほら、スーさん頑張っとんやから、私らも気張ろうやお姉ちゃん……」(サクッ……サクッ…… 京太郎(鍬を上下する……それだけの行為。だが見ろ……見ろっ……!) 一心不乱……否っ! 京太郎、心ここにあらずっ……! 視線はただ一点っ……カウガールの服を着てなお主張を止めぬ、絹恵のオモチ……! 鍬を振り上げ、振り下ろす度に悩ましげに弾む胸っ……! 目が離せない……釘付けっ……! 京太郎(ホルスタイン……いいや、最高級のジャージー牛レベルのオッパイ……ククッ、すばらだ………) 悪魔っ……これこそが悪魔の所業……! この世の百姓を全て敵に回す、不誠実なる野良仕事っ……! 京太郎「さあ、お昼時まであと少し……もうちょっとだけ一緒に頑張りましょうよ!」(キリッ 誘うっ……ここであえて爽やかに、たが強引に洋榎を引き戻すっ……! 京太郎「こういう共同作業も……悪くないもんですねっ」(キリリッ……! 洋榎「ぉ、オぉ……そ、そか?そんな風に熱く言われたら、洋榎さん困ってまうんやけどなー!」 舞い上がるっ……好意的な言葉、表情にっ……! 絹恵「もー、お姉ちゃん現金さんなんやからー」 だが、それもこれも全ては布石っ……! 姉がやるなら妹も追従せざるを得ないという、人の心を縛る悪漢の読みっ……! 洋榎「よっしゃー、お昼の時間やでー♪」 絹恵「わーい♪」 京太郎(満喫したっ……絹恵さんの乳揺れ……堪能しすぎて鼻血出そうだぜ) 洋榎「さあー、お待ちかねの洋榎さんお手製弁当お披露目やっ!」 京太郎「へえ、今日のお昼ご飯、洋榎さんが作ったんですか?」 絹恵「スーさんのことビックリさせたるー、って遅くまで頑張ってましたんよ」(コショコショ 京太郎「へー」 洋榎「デデデデデデデデデデデデデーデンッ!」(口ドラムロール 京絹(よく舌回るなー……) 洋榎「どやぁ!」(俵おむすび、唐揚げ、卵焼き、タコさんウインナー、ポテトサラダ、金平ごぼう、プチトマト 京太郎「おおー……!?」(スバラッ 洋榎「と、とりあえず食べごたえのありそーなもん詰めまくったったんやけど、どうやろか……?」 京太郎「これは……すばらですね!凄いですよ、洋榎さんっ!」 洋榎「(すばらて、全国のどっかの選手ん口癖やたよーな……)せやろせやろ、もっと感謝感激雨あられーでお願いするわー♪」 京太郎「よっ、さすが関西トップ……レベルの美少年雀士!料理の上手なお姉ちゃん属性まで持ってたなんて、これはもう嫁の行き先には困りませんね!」(ヤンヤヤンヤ 洋榎「よ、嫁やなんて、さすがにちょう気ぃ早いんとちゃうかなー、もー!」(バンバンッ! 京太郎「イタタッ、痛い、痛いですって!?」 絹恵(スーさん……テキトーに思い付いた誉め言葉出しまくっとるんやでな、たぶん)(モヤモヤ 絹恵「あんまそんな調子ええことばっか言ってたら、そのうち困ると思うでホンマ……」(ムスー 洋榎「んー?どないしたんや絹ちゃん、そないオモロなさそーな顔して?」 絹恵「うーんん、別になんもないよー」 絹恵(スーさんがお姉ちゃんにデレデレしまくってたて、末原先輩とかに教えたろ…………なんか、ちょびーっとだけ面白くなおし) 京太郎(あぁ、絹恵さんのオモチを眺めながら食べる弁当、うめー!単品でも十分美味しいけど、そこに高レベルなオッパイが添えられることで旨味と有り難みが十倍……いや、三十倍にはなってる!!)(スバラッ! 終われ。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2300.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1360915400/ --2月14日・清澄高校-- 京太郎「今日はバレンタインか……」 京太郎「……くくっ」 京太郎「今まではせいぜい咲からの義理チョコしか期待できなかった日だったが、今年は違う!」 京太郎「今年の俺には本命をくれるだろう彼女がいる! そして逆チョコを要求してくる事を考慮して俺も用意してある!」 京太郎「今年のバレンタインデーは楽しくなりそうだぜ、ははははは!」 京太郎「よぉ、みんな元気にしてるかー? 俺は今日も絶好調だぜー」 モブA「よし、ちょっとムカつくから須賀殴ってくる」 モブB「落ち着け、殴ったって片岡にあいつが心配されてまたバカップルフラグが建つだけだ!」 モブC「宮永さんからもらってる時点で勝ち組なのがわかってないとかなんなの? バカなの?」 京太郎「今は何言われても気にならないな! あっはっはっは!」 モブ(リア充爆死しろ……!) --同時刻-- 優希「んー?」 和「どうしました?」 優希「なんか今日は学校中から甘い匂いがしてるじぇ」 咲「今日はバレンタインだからね。 みんなも気合い入ってるんだろうなー……あっ、そうだ」 和「咲さん?」 咲「はい、和ちゃん、優希ちゃん。 友チョコ、一応手作りなんだけど貰ってくれるかな?」 和「ふふっ、ありがとうございます。 それじゃあ私からも……市販のもので申し訳ないのですが」 咲「うわ、すごく美味しそう! ありがとう、和ちゃん!」 和「どういたしまして。 ほら、ゆーきも咲さんにお礼……」 優希「……」ダラダラ 和「ゆーき……?」 咲「ど、どうしたの優希ちゃん?」 優希「ど、どうしよう、のどちゃん、咲ちゃん……」 優希「私、今日バレンタインだってすっかり忘れてたじぇ……」 京太郎「へへっ、楽しみだな」 ---- 京太郎「~~♪」 咲「あ、あのー、京ちゃんいるー?」 京太郎「おっ、咲か。 ちょうどよかった、これ受け取ってくれよ」 咲「これ……」 京太郎「チョコレート。 まっ、いつももらってばっかだし、たまには俺から渡すのも ありなんじゃないかと思ってなー。 あっ、和の分もあるから昼にでも渡してくれるか?」 咲「わかった、ありがとう……じゃあ私からもいつものを」 京太郎「サンキュー。 そういえば咲、優希の奴見なかったか?」 10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15 17 30 06 ID Xh7d7lHM0 咲「えっ!? ゆ、優希ちゃんがどうかしたの?」 京太郎「咲……それはもしかしてギャグで言ってるのか?」 咲「な、なんのことかなー?」 京太郎「今日はバレンタインなんだぜ? なのにただでさえ休み時間には ちょっかい出しに来る優希が今日は全然顔見せねぇし、こっちから行ってもどっか行ってるみたいだしよ……心配にもなるだろ?」 モブA「避けられてるんじゃねーのかー?」 モブB「もしかして嫌われたのかもなー?」 モブC「ざまあ」 京太郎「うっさいわ! こちとら喧嘩らしい喧嘩もなくのんびり過ごしてるっつーの!」 咲「京ちゃん……」 京太郎「あっ、わりいわりい。 それで咲、何か知らないか?」 咲「ご、ごめん、何も知らないよ」 京太郎「そっか……じゃあもし会ったら昼飯一緒に食おうって誘ってたって言っといてくれるか? ないとは思うけどなんかこのまま会えない気もしないでもないし」 咲「わ、わかった。 それじゃあ私行くね」 京太郎「おー、また部活でなー」 咲「うん」パタパタ 京太郎「優希の奴、どうしちまったのかね……」 モブA「倦怠期」 モブB「愛が冷めた」 モブC「破局」 京太郎「お前らな……」 ---- 和「どうでした咲さん」 咲「やっぱり京ちゃん、すっごく楽しみにしてるみたい……」 優希「そんな……どうしよう」 和「正直に言うしかないのでは? 須賀君だってこんな事でゆーきを嫌いになったりはしないでしょうし」 咲「嫌いにはならないだろうけど、今年の京ちゃん浮かれてるから落ち込むのは間違いないと思うよ。 はい、和ちゃん」 和「これは?」 咲「京ちゃんからもらったチョコレートの和ちゃん用……私のもだけど間違いなく手作り」 優希「おおう、マジか……」 咲「しかもちょっと見えたんだけどこれが入ってた袋、箱が後3つあって1つはわかりやすいくらい優希ちゃん用だったよ」 和「気合い入ってますね……」 咲「京ちゃんが彼女出来てから初めてのバレンタインだからね。 だから京ちゃんがっかりするんじゃないかなあ……」 優希「ううー……」 咲「……ねぇ、優希ちゃん」 優希「なんだ咲ちゃん……」 咲「----なんとか、したい?」 --昼休み-- 京太郎「……」 モブA「昼だなー、須賀」 モブB「もう諦めたらどうだー?」 モブC「お前もリア充じゃなくなったんだなー」 京太郎「ま、まだ部活あるし、あいつの事だから忘れてるだけに決まってる……」 モブA「バレンタイン自体忘れてたりしてな」 京太郎「!?」 京太郎(……ありえる、あいつの事だからバレンタイン自体忘れてるってすっげえありえる) 京太郎「だけどそれならなんでいつもみたいに来ないんだ……バレンタイン自体忘れてるからって会いに来ない理由には……」 京太郎(まさか俺、本当に避けられてるんじゃ……いやいや、そんな事あるか!) 京太郎「……せめて、これは渡したいんだけどな」 --放課後-- 京太郎「……終わったな」 モブA「授業がな」 モブB「結局来なかったな」 モブC「破局だな」 京太郎「……部活行くわ」 京太郎(なんかあったわけじゃないのは、一々優希が教室にいたのを教えてくれた奴らがいたからわかってる) 京太郎(もうぶっちゃけバレンタインとかどうでもいい。 毎日会ってた奴と1日会わないだけで俺はこんなに落ち着かなくなってる) 京太郎(優希に、会いたい) 京太郎「……こんにちはっす」ガチャッ まこ「お、京太郎早いのう」 久「お邪魔してるわね」 京太郎「竹井先輩に染谷部長……2人共、何してるんですか?」 まこ「見てわからんか? 掃除じゃ掃除」 久「もうすぐ私も卒業だからね、まこと思い出を振り返りながらこの部室にお礼してたの」 京太郎「お礼、ですか」 久「そう、3年間ありがとうってね」 まこ「じゃから今日は部活休みじゃぞ?」 京太郎「えっ」 まこ「なんじゃ、優希から聞いとらんかったんか? どうせ一緒だと思ったから優希の方に送っといたんじゃが……」 久「あらら、優希ったら忘れてたのね……」 京太郎「……」 久「須賀君?」 京太郎「あっ……そ、そうみたいですね! 全く優希ったらしょうがない奴ですよ!」 まこ「すまんのう、せっかく来てもらったゆうのに」 京太郎「いえいえ、気にしないでくださいよ! そうだ、お2人にこれ渡しておきますね」 久「あら、チョコレート?」 まこ「そういえば今日はバレンタインじゃったな」 京太郎「えぇ、日頃お世話になってるお礼もかねてますので……」 久「ありがとう須賀君」 まこ「ありがたくもらっておこうかの、ありがとうな京太郎。 悪いけど今は持ち合わせがないんじゃ、 店で配ってるのでよければ明日受け取ってくれ」 京太郎「ありがとうございます……じゃあ俺、帰りますね」 まこ「おう、また明日な」 久「またね須賀君」 京太郎「はい」ガチャッ…… 久「……あれは相当重傷ね」 まこ「わかりやすいくらい動揺してたからのう……ありゃ、今日優希に会えてないな」 久「大方優希がバレンタイン忘れてたってところでしょうけど大丈夫かしら。 あっ、美味しいわねこれ」 まこ「今から出来ることはないから任せるしかないじゃろ……ん、うまいな」 ---- 京太郎「あっ、はい。 そうですか、一回帰ってきてすぐに……わかりました、ありがとうございます。 はい、はい……失礼します」ピッ 京太郎「はあ……携帯も繋がんないしあいつどこ行ってんだよ」 京太郎「学校にはもういないし、どうしたもんか……渡すものあったんだけどなあ」 京太郎「……あー、ヤバい。 予想以上にショック受けてるわ俺」 京太郎「別に忘れてたくらいで怒りゃしねぇから避けるようなまねすんなよ……バカやろ」 京太郎「……あれ?」 優希「……」 京太郎「……優希?」 優希「……よっ」 京太郎「なんで家の前にいるんだよ……って、それ」 優希「チョコレートだじぇ……ポッキーだけど」 京太郎「……」 京太郎(こいつ、よく見たら手が絆創膏だらけじゃねぇか……もしかして、わざわざ手作り用意しようとしてたのか?) 優希「……やっぱりいらないか?」 京太郎「いや、もらうけど……なあ、お前どれくらいここにいたんだよ」 優希「無我夢中だったから覚えてない……」 京太郎「ちょっと手、貸してみろ」 優希「っ」 京太郎「すっかり冷たくなっちまってる……とにかく上がれよ、温かい飲み物出すからさ」 優希「うん……」 ---- 優希「ふー、生き返るじぇ」 京太郎「で?」 優希「ん?」 京太郎「ん?じゃねーよ、なんで今日学校で俺を避けてたんだ?」 優希「うっ……」 京太郎「心配したんだぞこれでも。 いつもならしょっちゅう俺の教室に乗り込んでくるお前が まるで全然来ねえし、こっちから行けばすぐいなくなってるしよ」 優希「ご、ごめんだじょ……」 京太郎「いや、別に謝ってほしい訳じゃないんだよ。 ただ理由を知りたいだけで」 優希「……今日、バレンタインだったろ?」 京太郎「そうだな」 優希「私、今朝までその事すっかり忘れてて……」 京太郎「あー……やっぱりか、何となくそんな気はしてた。 別にそれなら学食にあったチョコパンでもくれればそれでよかったんだぞ?」 優希「だって咲ちゃんから京太郎がチョコレート手作りしてたって聞いたから……」 京太郎「そりゃまあそうなんだけどな……じゃああれか? わざわざ家に帰ってチョコレート作ってから家に来たのか? ん、それならなんでポッキー?」 優希「実はチョコレート自体は昼休みに家庭科室借りて作ってたんだじぇ……」 --昼休み・家庭科室-- 和「昼休みだけとはいえ家庭科室を使わせてもらうなんて無理だと思いましたが、案外なんとかなりましたね」 咲「竹井先輩が前会長だったのと、私達が麻雀部だったのが大きかったみたいだね」 優希「……」 咲「じゃあ始めようか?」 和「そうですね。 せっかく借りたんですから、時間は有効に使わないと」 優希「2人共……付き合わせてごめんだじぇ」 咲「そんな気にしないで優希ちゃん。 私も和ちゃんも友達を助けたいだけだから」 和「そうですよゆーき」 優希「ううっ、私は今猛烈に感動してるじぇ」 咲「ふふっ、とにかく始めよう優希ちゃん! 京ちゃんを喜ばせてあげようね!」 優希「おう!」 咲「じゃあまずはチョコを刻んで湯煎しようか」 優希「え、えっと……こうか?」 和「ゆーき、普段の料理みたいに切ろうとするんじゃなくて、包丁の背に当てて体重をかけて刻むんです」 優希「こ、こう?」 咲「うん、上手だよ優希ちゃん。 出来るだけ細かく刻んだ方がいいからね」 優希「う、うん……」 咲「次は湯煎だね、和ちゃんボールを……って優希ちゃん!」 優希「えっ」 咲「だ、だめだよ、お鍋に直接チョコ入れたら! 湯煎はお湯の入ったお鍋の上にチョコを入れたボールを入れてするの!」 和「ああ、チョコレートがお湯の中に……やり直しですね、これは」 優希「ご、ごめん……」 咲「湯煎までは出来たね。 じゃあ次はテンパリングをしようか」 優希「テンパリング?」 和「チョコレートを溶かして固めるときに行う温度調節のことです。 このまま固めても美味しいチョコレートは出来ないんですよ?」 優希「そうなのか……チョコレートって溶かして固めるだけだと思ってたじぇ」 咲「味を気にしないならそれでもいいのかもしれないけどね。 でも優希ちゃんだって京ちゃんに美味しいチョコを食べてほしいでしょ?」 優希「……」コクッ 咲「それなら頑張らないとね。 大丈夫、きっと京ちゃんもビックリするような美味しいチョコを作れるから!」 優希「う、うん! 頑張るじぇ!」 和「あっ、固まり始めてます!」 咲「わわわ、急いで始めなきゃまた固まっちゃう!」 優希「そこまでは色々ミスもあったけど順調だったんだじぇ……でも」 優希「熱うっ!?」ガシャーン 和「ゆーき、大丈夫ですか!?」 優希「だ、大丈夫、ちょっと鍋触っちゃっただけだじぇ……」 咲「そ、それ大丈夫じゃないよ! 急いで冷やさなきゃ!」 優希「だけど時間が……」 和「そういう問題じゃありません! 冷やしてすぐ保健室に行きますよ!」 優希「あっ……!」 キーンコーン、カーンコーン…… ---- 優希「私がミスしたせいで時間がなくなって、結局チョコレート作れなくて……」 京太郎「だからポッキーなわけか……」 優希「ごめんだじぇ……そんなんじゃ京太郎のチョコレートに釣り合わないのはわかってるのに」 京太郎「……で、火傷は大丈夫なのか?」 優希「えっ、あっ、それは大丈夫……咲ちゃんとのどちゃんのおかげで大したことはないじぇ……」 京太郎「そっか。 ならそれでいい」 優希「いいって……」 京太郎「……俺からしたらな、チョコレート貰えないより、お前が怪我とかした方が嫌なんだよ」 優希「……!」 京太郎「別にいいんだよ、市販のものだろうがなんだろうが。 お前にもらったってその事実が大事なんだからな。 このポッキーは家宝にして取っておく」 優希「いや、食べてほしいじぇ……」 京太郎「冗談だよ」 京太郎(ったく、くだらない事気にしやがって。 つきあう前の優希なら間違いなく要求するだけだっただろうに) 京太郎「とりあえずそういう事だからもう落ち込むなよ。 俺が好きなのはなんだったっけ?」 優希「私の、笑顔?」 京太郎「正解だ」ギュッ 優希「わぷっ……」 京太郎「やっぱりお前抱きしめてると落ち着くわ。 俺、完全に優希中毒だなこりゃ」 優希「……」ギュッ 京太郎「優希?」 優希「じゃあ、私も……京太郎中毒、なのかもな」 京太郎「……そりゃちょっと反則じゃね?」 優希「?」 京太郎「わかってねぇし……」 ---- 京太郎「さて、優希のくれたポッキーを開けるとするか」 優希「……」 優希(京太郎はあんな事言ってたけどやっぱり気が引けるじぇ……そうだ!) 京太郎「じゃあいただき……」 優希「ちょっと待った!」 京太郎「ん?」 優希「京太郎、ポッキー一本借りるじぇ」 京太郎「別にいいけど、何かするつもりか?」 優希「……」パクッ 京太郎「食うのかよ!」 優希「……///」ドキドキ 京太郎「……なんでくわえたまんまなの、お前」 優希「んっ……」クイッ 京太郎「……」 優希「……」ジー 京太郎「……」パクッ 優希「!」 京太郎「……」サクサク 優希「~~~~!」サクッ 京太郎「……」サクサク……チュッ 優希「あっ」 京太郎「……おい、優希」 優希「ど、どうだ! 美味しかったか!」 京太郎「味なんかわかるか! なんだ、この拷問に等しい行動は!?」 優希「物が市販なら食べ方を工夫するしかないだろう!」 京太郎「だからってポッキーゲームやらかすか普通! 誕生日の時には タコスで同じ事してきたけど、なにお前これ気に入ったの!?」 優希「……えっ///」 京太郎「否定しろよ、おい!?」 優希「だ、だって嫌じゃないし……京太郎は嫌だった?」モジモジ 京太郎「……お前絶対わざとだろ」 優希「……///」パクッ 京太郎「聞く耳持たずかよ……」 優希「……///」ジー 京太郎「ぐっ……ああ、もうわかったよ、やればいいんだろやれば!」パクッ 優希「……」ニコッ 京太郎「っ!」 ---- 優希「んっ、ん……」 京太郎「っ、はっ……」 京太郎(……ポッキーはとっくになくなったのになんでまだこんな事してんだ?) 優希「京太郎ぅ……」 京太郎「……!」 京太郎(……しょうがないんだよ。 だってほら、俺達お互いに中毒だし? 禁断症状でお互い求め合うのも仕方ない話……) 優希「京太郎……」スリスリ 京太郎「……」 京太郎(むしろこんな状況でもキス以上はしない俺を褒めて……いや、褒めるような相手はここにはいらないけどさあ) 京太郎「満足、したか?」 優希「ん……」 京太郎(どうやら助かったみたいだな……危ない危ない、これ以上やってたらさすがに理性が焼き切れちまうっつーの) 優希「そういえば京太郎、私の分のチョコは?」 京太郎「ああ、たしかに用意してたな……ちょっと待ってろ」 京太郎(色気から食い気に戻ったみたいだな……ったく、あいつのそういう顔は未だに慣れねえよ) 京太郎「あったあった」 優希「あ」 優希(京太郎の口の端にチョコレートが残ってる……)スッ 京太郎「うわ、だいぶ溶けてきてんな。 悪い優希今から作り直し--」 優希「んっ」ペロッ 京太郎「」プチッ…… 優希「チョコレート残ってたじぇ。 全く子供だな京太郎は」 京太郎「……」 優希「京太郎?」 京太郎「!!」グイッ! 優希「えっ……」ドサッ 京太郎「……」 優希「きょ、京太郎? どうしたんだ急に……」 京太郎「優希……」 優希「……!?」 優希(な、なに……京太郎、なんか変……) 京太郎「お前もチョコレート、ついてるぞ」ペロッ ---- 優希「ひゃっ!? い、いきなりほっぺた舐められたらくすぐった……」 京太郎「ここにもついてる」 優希「ひうっ!」 いきなり自分を押し倒した挙げ句、頬を舐めてきた京太郎に軽い抗議の声をあげる優希。 だがいつもなら何かしらの答えを返してくれる京太郎がその声を無視して 今度は唇に舌を這わせてきた事で、優希が押し倒された直後に抱いた小さな違和感は瞬く間に大きな物となった。 優希(く、唇舐められ……や、京太郎、やっぱり変……!) 京太郎「ここにも、ここにもついてる……」 優希「ひゃあんっ!? う、嘘つけ、首筋になんかついてるわけ……あっ!」 どう考えてもチョコレートなどつくはずがない場所を舐めてきた京太郎に待ったをかけるように、優希が京太郎の胸に手を当てる。 しかしただでさえ男と女、さらに圧倒的な体格差がある2人の間ではそんなか弱い抵抗など何の意味もありはしない。 京太郎は優希の精一杯の反抗に微笑ましいものすら感じながら……【ソレ】を手に取った。 京太郎「しょうがないだろ、ついてるもんは……」クチャッ 優希「っ!?」 京太郎の指が肌を滑った瞬間、優希は近くに甘い香りを感じ取る。 京太郎の指を見ればそこに付着していたのは自分の肌と同じ甘い香りを放つ茶色いお菓子。 京太郎が優希の為に作ったチョコレートが、1日中放置されたせいで プレゼントとしては使えなくなっていたソレが、京太郎の手によって優希という皿に盛りつけられているのだ。 優希「ちょっと待つじぇ京太郎、なんでチョコレート塗っ……あうっ!」 優希の言葉は最後まで空気を震わせる事なく、小さな悲鳴へと還元される。 チョコレートを塗った優希の肌に京太郎が再び舌を這わせたためだ。 京太郎「なんのことだ? ここにチョコレートがついてるのはお前がこぼしたからだろ?」カプッ…… 優希「あっ、み、耳噛んじゃ、や……」 白々しく優希に責任を押し付けた京太郎は優希の肌にチョコレートを擦り付けながら、耳朶を甘噛みする。 羞恥からか真っ赤に染まった耳朶にそっと歯を当てれば優希はいやいやするように 首を振り、常の彼女からは考えられないような弱々しい声をあげた。 京太郎「まだついてるみたいだな……全くこんなに散らかしてどっちが子供なんだか」グイッ 優希「はうっ!? や、やだ服……」 その声が情欲にさらなる火をつけたのか、今まで顔や首筋など露出している部分にしか 触れてこなかった京太郎が優希の服を胸元近くまでめくりあげる。 露わにされた子供のように瑞々しい肌をした腹部にチョコレートをかけると、 ザラザラした感触を理解させるかのようにじっくりと舌を動かしていった。 京太郎「ここも甘いな……もしかしてお前砂糖で出来てんのか?」 優希「そんな、わけない……はっ、ぁっ、っ……!」 京太郎「どうだか……」 京太郎はめくった服をそのままに今度は優希の指に目を付ける。 絆創膏の貼られた指、京太郎へ贈ろうとしたチョコレートを作るためについたいくつもの傷跡。 京太郎「はむっ……」 優希「ひゃん!」 故に京太郎はその一本一本を、先から付け根まで丁寧に慈しむように愛撫する。 この時にはもう、優希はなすがままに声を出すくらいしか出来ずにいた…… 京太郎「ん……」 優希「あっ……」 どれくらい時間が経ったか……指への丁寧な愛撫は他とは比べものにならない時間をかけたため、 どちらも時間感覚が麻痺して思考もあまり出来ない。 優希「終わった、のか……?」 目を潤ませて、息を小さく乱して、真っ直ぐ京太郎を見つめながら優希は問う。 やっと解放されるという安堵が少し、もう終わってしまうのかという未練がほとんどを占めるその問いに…… 京太郎はチョコレートを塗りつけた指を差し出す事で答え、 優希「あ……」 差し出された指を眺めていた優希は、一泊遅れて京太郎の意図を察した。 優希「かぷっ……」 それはさっきまでとは逆転した光景、京太郎の指を今度は優希が口に含み舌を這わせる。 ところどころについていたチョコレートの影響か、それとも優希が出来上がっているためかその指は酷く、甘い。 優希「はぷっ、ちゅっ……」 京太郎「っ……」 お返しとばかりに指を弄ぶ優希に京太郎の背筋がゾクッと震える。 目を潤ませ、半分とろけせながら自分の指を一心不乱に舐める優希。 間違いなく今の優希は艶やかで、少女から女の顔を覗かせていて…… そんな彼女を征服しているようで心がざわついてしょうがないのだ。 優希「はっ……」 京太郎「……どうだった?」 優希「……甘すぎるじぇ」 優希が京太郎より長い時間をかけて指を舐め終える。 京太郎の軽い気持ちでの問いかけに眉をひそめて答えると、優希は浮き上がっていた身体を再びカーペットに沈めた。 優希「京太郎、これで終わりか……?」 優希にはまだなんでこんな事になったのかという疑問はある、熱を持った自分自身への戸惑いもある。 だが一見すれば先ほどと同じこの問いには、そんな意味は全くない。 京太郎「まだだな……だって」 京太郎もそんな事わかっていて、それでも茶番のように掛け合いを続ける。 京太郎「口の中に、チョコレート残ってるだろ?」 こんな事でもしなければきっとまともにお互いを見る事すら叶わなかったから。 ---- 優希「んっ、んうっ……」 京太郎「んんっ……」 お互いの口の中に残ってるチョコレートを舐めとるため、というのはとっさに出た 口実なのか茹で上がった頭で必死に考えた言い訳なのか…… 既に熱が入っている2人には関係ない話だったのかもしれない。 優希「ふぁ……んんっ」 京太郎「んむっ……」 舌で相手の歯列をなぞり、時には舌同士を絡め合い、お互いを求め合う。 時折隙間から零れ落ちる唾液はどちらのものか、もう本人達にもわからない。 優希「はっ…ぁ…」 何回も角度を変え余すところなく舌で口内を蹂躙し、漏れ出る甘い吐息は強い熱を帯びて、2人の興奮を高めていく。 優希「ひょうたろー……」 京太郎「優希……」 そして呂律も回らなくなり、舌で感じ取る口内どころか、周りに漂う空気さえも 甘く香るような錯覚を覚え始めた頃……優希の方が限界を迎えた。 優希「んんーーっ!!」ギュウウウ…… 京太郎「!?」 強く痛いくらいに京太郎にしがみつきながら、優希は身体を震わせ、時々ビクッと大きく跳ねさせる。 フラッと後ろに倒れそうになる優希を京太郎が支えると同時、2人の間から伸びた銀色の橋がプツンと切れ、空気中に霧散した。 京太郎「はぁっ、はぁっ……」 優希「ぁ……ふっ……」 限界のさらに先まで走り抜けたようなキスを終えて2人は荒く息をつく。 そしてこの時小さな胸を上下させながら、 唾液やら涙やら汗やらその他色々な液体が明かりに照らされてキラキラと 輝いてる優希を見ていた京太郎は幸運なのか不幸なのかはわからないが…… 京太郎「……やっち、まった」 熱に浮かされた状態の頭を元に戻す事に成功した。 ---- 京太郎「すみませんでしたあ!!」ドゲザ 優希「……」 京太郎「いや、ほんと調子に乗ってました。 色々やらかしたけど何卒お許しを!」 優希「……変態」 京太郎「ぐっ!?」 優希「やだって言ったのに色んなところ舐められて、触られて、指舐めさせられて、挙げ句の果てに、あんな……」 京太郎「ごめん、本当にごめんなさい!」 優希「私だって色々してきたけど、それ以上に恥ずかしい目にあわされたじぇ……」 京太郎「ううっ……」 優希「……だけど」 京太郎「?」 優希「……最後の方は、いやじゃなかったじょ」 京太郎「へっ……」 優希「~~~~///」 京太郎「優希……」 優希「な、なんだ!」 京太郎「お前、すっげえかわいいな」 優希「ーーっ! うるちゃいバカ犬!」ポカポカ 京太郎「いや、ほんとかわいいわ。 さっきのエロい表情もいいけど今のお前も最高だ!」 優希「反省してないだろ、京太郎のバカー!///」 --翌日-- 優希「京太郎、遊びに来たじぇ!」 京太郎「おぉ、待ってたぜ優希。 ほら座れ座れ」 優希「じゃあ失礼して……やっぱり京太郎の膝はいいイスだな!」 モブA「元に戻ってる……」 モブB「むしろバカップル度が上がってる……」 モブC「なんという事だ……」 咲「あっ、京ちゃん、優希ちゃん」 京太郎「よぉ、咲」 優希「こんにちはだじぇ、咲ちゃん」 咲「その様子だと昨日は上手くいったんだね、優希ちゃん」 優希「えーっと……うん」 咲「あれ? あんまりいい反応じゃないね?」 優希「昨日は咲ちゃん達と別れてから色々あったんだじぇ……」 咲「……京ちゃん、なにしたの?」 京太郎「知らん、俺は何も知らん!」 咲「ふーん……」 優希「あっ、でも……昨日はとっても甘い甘いバレンタインだったじぇ!」 咲「……京ちゃん」 京太郎「そんな生温かい目で俺を見るな!」 咲「……まあ、いいや。 ところで京ちゃん、優希ちゃん」 京太郎・優希「んっ?」 咲「私のチョコどうだったかな? 感想を聞かせてほしいんだけど……」 京太郎・優希「…………あ」 京太郎・優希(すっかり忘れてた……) カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/935.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1352987529/ 京太郎「犯した女の子の能力を得られるようになりました」 久「・・・は?須賀くん、最近あんまり相手にされないからって・・・」 京太郎「いや本当なんすよ信じてください」 久「うーん・・・しょうがないわね、部長の私が犠牲になるわ」 京太郎「犠牲って・・・」 久「ほら、早く脱いで」シュル 京太郎「はい(素直)」カチャカチャ 久「ん・・・男の子のって初めて見たわ。ずいぶん大きいのね」 京太郎「えっ、部長って処女だったんすか」 久「む・・・悪かったわね処女で」 京太郎「いやそんなことは」 久「全く・・・舐めるわよ」ペロペロ 京太郎「うっ・・・!」ビクビク 久「ひくひしてる・・・可愛い♪」ジュル 京太郎「最近あんまり抜いてないからヤバ・・・」ビクビク 久「さすがに早すぎない?早漏なの?」ジュポジュポ 京太郎「言葉責めも・・・いいっ」ビクビク 京太郎「うぐ・・・もう出る・・・!」ビクビク 久「うふふ・・・どうぞ」ペロペロ 京太郎「うっ!!」ビュルビュルッ 久「顔ベトベト・・・」 京太郎「すいません・・・」 久「ふう・・・これでいい?」 京太郎「いえ、犯さないと意味ないんです」 久「・・・しょうがないわね、これも須賀君のためだわ。一肌脱ぎましょう」パサッ 京太郎「ぶ・・・部長のオマンコ・・・ゴクリ」 久「あら・・・さっき出したばっかりなのにまだ勃ってる・・・元気なのね」 京太郎「部長もずいぶん余裕みたいですけど、濡れてますよここ」クチュ 久「あっ!・・・優しくね?」 京太郎「うおおお部長っ!!!」ズッ 久「ああっ!そんな急に!」ズンズン 京太郎「部長の中気持ちいいっ・・・!」パンパン 久「痛っ・・・でも気持ちっ・・・イイ!」ズンズン 京太郎「部長っ!いいです!」ペロペロ 久「あんっおっぱいだめっ!イッちゃう!」ズンズン 京太郎「イッていいですよ・・・!」モミモミ 久「うっ!だめえええ!」パンパン 京太郎「俺ももうイきそうです・・・!」パンパン 久「来てっ!一緒にイきましょう?」パンパン 京太郎「うっ!出る!!!」ビュルビュルッビュル 久「はぁ・・・はぁ・・・」 久「じゃあ打ってみましょうか。咲と和も呼んできたわ」 京太郎「はい、お願いします」 ~キンクリ~ ワカメ「これは驚いた。久の悪待ちみたいじゃった」 久「・・・どうやら本当のようね・・・須賀君、すごいわ」 京太郎「いやー・・・」 久「この調子でたくさんの女の子を手玉に取って能力をゲットしてきなさい!」 京太郎「じゃあ大阪の・・・姫松高校に行くか」 姫松高校 京太郎「どうも、須賀京太郎です」 洋榎「誰やアンタ、何勝手に入ってきてんねん」 京太郎「清澄高校の竹井久さんの部活のメンバーです」 洋榎「ゆっくりしてきーお菓子あるで」 絹恵「お姉ちゃん・・・」 京太郎「さて、誰にしようかな・・・」 代行「どしたん~お知り合い~?」 洋榎「監督!ちょっと話があるそうやで」 説明 代行「う~ん、強くなるために女の子をね~」 京太郎「強くならないと部長や咲に顔向けできないんです、ヤらせてください、オナシャス!」 代行「む~・・・まあ須賀君だっけ?結構ええ男やしええで~」 京太郎(エロいお姉さんやで全く) 京太郎「上脱がしますね」パサ 代行「ウチがや~る~」ジタジタ 京太郎(可愛いなぁー)モミモミ 代行「ん~?須賀君~ウチおっぱいあんまりないで~?でも可愛い~」ナデナデ 京太郎「んっ」チュッチュッ 代行「あんっ、あんまり乳首焦らさんといてや~」 京太郎「ハァハァ」ペロペロ 京太郎「そろそろ下触りますよ」クチュッ 代行「んっ」ビクッ 京太郎「おっぱいだけしか弄ってないのにすごい濡れてる」クチュクチュ 代行「ハァハァ、須賀君うまいな~」ビクビク 京太郎「赤坂さんもすごくエロいですよ」クリッ 代行「そこだめぇ、イッてまうっ」ビクビク 京太郎「どうぞ」クチュクチュ 代行「ああんっ!」ビビクンッ 京太郎「はぁ・・・次は気持ちよくしてください」スッ 京太郎「挿れますよ」グチュ 代行「んっ、ええで~、お姉さんが全部受け止めたる」 京太郎「ふっ!」ズン! 代行「あっ!」パンパン 京太郎「はっ、はっ」パンパン 代行「だめっあっ」ズンズン 京太郎「ふふ、口調変わるほど余裕ないんですね、可愛いっ・・・」ズンズン 代行「そっそんなことっ」パンパン 京太郎「くっ・・・もう出る・・・!」ズンズン 代行「来てっ・・・お姉さんの中にいっぱい出してやっ」パンパン 京太郎「うっ!!!」ビュルビュルッピュ 代行「京太郎く~ん、頑張ってや~♪」 京太郎「はい、また来ます、郁乃さん」 洋榎「なんやあの二人仲ええな」 絹恵「しかもいつの間に名前で呼ぶ仲になったんや・・・」 代行「ふふ、ひみつやで~」 京太郎「さて、次はどうしようかな」 京太郎「風越女子に行くか・・・また女子高だけど・・・」 風越女子 京太郎「どうも、須賀京太郎です」 美穂子「あら、あなたは上埜さんの所の・・・」 池田「須田だっけ?」 京太郎「須賀です、今自己紹介したんですけど」 京太郎「さて誰にしようかな、福路さんがいいなー」チラッチラッ 池田「誰と話してるんだし」 京太郎「いやっほう!福路さーん実はですね!・・・」 説明中- 京太郎「部長からのお願いなんです、ヤラせていただけませんか?」 美穂子「上埜さんのお願いならしょうがないわ、やりましょう」 京太郎「いえーい!」モミモミ 美穂子「きゃっ、誰も取りませんから、落ち着いてくださいね?」ナデナデ 京太郎「はーい」チュパチュパ 京太郎「福路さんのおっぱいおいしいです」チュッチュッ 美穂子「ふふ・・・赤ちゃんみたい」ナデナデ 京太郎「うう・・・もう我慢できない、挿れさせてください」ペロペロ 美穂子「んもう・・・どうぞ」パサ 京太郎「やっぱりおっぱい感じるんですね、もう挿れられます」ズンッ 美穂子「あっ!入ってくるっ・・・!」ズンッ 京太郎「入りました、動きますよ」ズンズン 美穂子「はっ!あっ!あっ!」ズンズン 京太郎「乳首も弄ってあげます」クリクリ 美穂子「はっ、気持ちいいですっ」パンパン 京太郎「くっ、すごい締まりだ・・・」パンパン 美穂子「だって須賀君がおっぱいばっかり弄るから・・・!」パンパン 京太郎「俺はおっぱいが大好きなんですよっ!」ズンズン 京太郎「もうイくっ、中に出しますよっ」 パンパン 美穂子「あん!私もイクっ!」ズンズン 京太郎「うっ・・・うおおお!」ビュッビュルビュルッ 京太郎「福路さん、ありがとうございました。部長によく言っておきます」 美穂子「あ、はい。また一緒に麻雀できるといいですね」 池田「結局何しに来たんだし」 京太郎「よし次だ、新道寺高校へ行こう」 京太郎「新道寺っちゅうとAブロックのほうの出場校か。そういや和やタコスの先輩がいるとか何とか」 新道寺 京太郎「どうも、須賀京太郎です」 煌「おや、見慣れない顔ですね、どちらから?」 京太郎「清澄高校麻雀部です」 煌「というと和達が通っている高校ですね。これはこれは、すばらです!」 京太郎「花田さんに頼もう!」 説明中- 煌「ふむふむ、事情は大体わかりました。でもですねー・・・」 京太郎「和や優希のためにもなるんです、オナシャス!」 煌「むむむ・・・しょうがないですね、お相手しましょう!」 京太郎「すばら!」カチャカチャ 京太郎「あ、ちょっと待ってください・・・まず足で弄ってもらえませんか」 煌「ずいぶんと注文の多い殿方ですね、まあいいでしょう」グリグリ 京太郎「あっ・・・いい!」ビクッ 煌「こんなことをされて興奮するなんて、すばらくなうですね」シコシコ 京太郎「いいです・・・気持ちいいです!」ビクビク 煌「ふふふ・・・」グリグリ 京太郎「くっ・・・気持ちよすぎる・・・」ビビクン 煌「もうイキそうなんですか?はしたない殿方ですね」グリッ 京太郎「うっ・・・出るっ・・・!」ピュッピュッ 京太郎「ふう・・・じゃあ次はこっちがっ!」ガバッ 煌「きゃっ!」 京太郎「ちょっと濡れてますね、弄ってて気持ちよかったんですか?」 煌「そ、そんなことは・・・ひゃん!」 京太郎「どうなんですか?」クチュクチュ 煌「うっ・・・」ビクビク 京太郎「言わないと挿れてあげませんよ?」クリクリ 煌「・・・すばらでしたっ」ビクッ 京太郎「よく言えましたっ」ズッ 煌「きゃっ!そんなっ、突然はっ」ズンズン 京太郎「ごめんなさい、よく聞こえませんでしたっ」パンパン 煌「もう・・・いじわるですねっ」ズンズン 京太郎(可愛い・・・っ)パンパン 京太郎「それにしても喘ぐのにイク気配はしませんねっ」ズンズン 煌「私は、ちょっとやそっとじゃトバないんですよっ?」パンパン 京太郎「そうなんですか、じゃあイカせてみせますよ!」ズンッ! 煌「あっ!さっきより激しいっ」ズンズン 煌「あんっ!あっあっ」パンパン 京太郎「トバないんですよね?じゃあ俺がイクまでイっちゃだめですよ」パンパン 煌「そんなっ、いけずですっ」ズンズン 京太郎「くっ・・・イく・・・!」ズンッズンッ 煌「あんっあっ」パンパン 京太郎「うっ・・・!」ドピュッピュッ 煌「すばらでしたよ、須賀さん」 京太郎「花田さんも良かったですよ。ありがとうございました」 煌「ではまた。すばらっ!」 久「さて、須賀君が帰って来たからもう一度打ってみましょう」 京太郎「もう負ける気がしません」ゴッ 咲「へえ・・・言ったね?」ゴオッ 京太郎は咲さんかわいいを連呼する機械になりました カン
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4448.html
十半荘目…… 和「ロン。2000」 京太郎「はい」 和「ツモ。2000オール」 京太郎「はい」 玄「は、はい」 宥「はい……」 和「ポン…………ツモ――――チー……ロン――――ロン――――ツモ!」 宥「の、和ちゃんの勢いが止まらないよぅ……」 玄「こ、この高速和了……憧ちゃんみたい……ううん、それ以上かも」 和(大きな打点での和了りを得意とする須賀君や玄さん、宥さんを同時に相手取って勝つには―――!) 京太郎「走ってるなー。でも、そんな風に細かく刻んだところで……役満一回和了られたらひっくり返るぜ?」 和「……この最後の対局、オーラスまで誰にも和了らせるつもりはありません」(ドン! 京太郎「フフ……それこそ、そんなオカルトあり得ません、だ」 和「…………いきますよ、須賀君」 京太郎「――――」(ざわ… 和(オーラス……ありえないことですが、須賀君はまた役満聴牌の気配。これで三度目……三度目の正直、ということですか) 京太郎「…………」 和(確かに役満が出れば私をまくれます。ですが、国士、大三元、緑一色、清老頭、そして九蓮に必要な牌は全て河に出ていて……) 玄「……カン!」 宥「わわ、ド、ドラ4がドラ8になっちゃった……」 玄「フフフ、王牌の声を聞いたからこそのカンだよっ!」 和(非常にオカルトなことを言っていますが、それはさておき、これで四槓子もなし。となると、残るは……四暗刻) 京太郎「リーチ」 打:北 和(ここで一枚切れの北……。恐らく単騎待ちを張り替えてのリーチ……!) 和「……!」 ツモ:7萬 和(これは……暗刻になっていた七萬の四枚目を引くなんて、偶然にしてはよく出来ていますね。とりあえず四巡、これで凌いで……) 打:7萬 京太郎「……うん、そいつだ」 和「――――え……?」 京太郎「ロン」 6666888萬222筒777索7萬 リーチ一発断ヤオ三暗刻…… 和「六萬をカンせずに七萬の穴待ち……!?で、でも、これでは満貫8000止まり……!役満でないと私をまくれないのに、どうして……」 京太郎「……まだ、まだわからないさ。この――――裏ドラを捲るまでは」 和「な……まさか裏を八枚乗せる気ですか!?そんなオカルトあり得ません……!」 京太郎「オカルトかどうかは……!」 玄「う、裏ドラ表示牌が五萬……裏ドラが4枚……!」 宥「く、玄ちゃんがいるのに……どうして」 京太郎「当然じゃないですか……裏ドラは、リーチをかけた人にしか微笑まないんだから……!」 和「も、もしもう一枚の裏ドラ表示牌が五萬だったら……!」 京太郎「文句なしの数え役満……トータルポイントで逆転だ……!」 和「…………!!」 穏乃「そ、それでそれで、結果はどーなったの!?」 玄「裏は乗るには乗ったけど、表示牌が六索で裏ドラ七枚止まりの三倍満。惜しくも和ちゃんのトータルポイントには届かずだったよー」 憧「まず裏ドラ七枚乗せてる時点で訳わっかんないんだけど……」 灼「もう二つ名は自重しない火力でいいんじゃ……」 穏乃「そっかー、惜しかったなー京太郎」 憧「んで?負けたら何でも言うこと聞くって話になったんでしょ。和、なにを命令したの?」 玄「うふふ、えっとねー」 和「そ、それじゃあ……い、いきますよ……!」 京太郎「おー……」 和「須賀く……じゃなかった、きょ、きょ……きょー…………くん」 京太郎「え、なに、聞こえないです原村さん」 和「ぅく……きょ、きょぅ…………くんっ」 京太郎「……なあ和ー、無理すんなって」 和「い、いいえ、イヤです。須賀か……きょ、きょ…………ぅくんもいいって言ったじゃないですか!」 京太郎「名前呼びにするだけでどーしてそんなに苦難するんだよ……」 和「わ、私にも心の準備というのが必要なんです。長野に帰って、みんなの前で名前を呼ぶための覚悟といいますか……」 京太郎「……ま、気長に待たせてもらうよ、和」 和「と、当然です。須が……きょ、京太郎、君……」 京太郎「ノンノン、もっと!愛を込めて!」(パピ★ヨン 和「ふぁっ!?」 穏乃「まだまだ当分、時間かかりそうだねー」 憧「京太郎の奴、何気にわかってて楽しんでるっぽいわね……。鬼畜なのは麻雀だけじゃなくなったのか、あのバカ」 灼「もっと力業でズドンしちゃえばいいのに……」 玄「灼ちゃん、それは和ちゃんであって和ちゃんじゃない人の特技だと思うよ……」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4458.html
二月頭……松実旅館 宥「……はふぅ」(ペラペラ 玄「おねーちゃーん、炬燵入らせてー……って、どーしたの、難しい顔で本なんて読んで」 宥「わわっ、く、玄ちゃん……!?」(ババッ 玄「むむ、その反応……あやしい。なんの本読んでたのか玄ちゃんに教えてくださいなー」(ワキワキ 宥「な、なんでもないから……!」 玄「なんでもないなら見せてくれてもいーじゃないー……そーれ、とったどー!」 宥「み、見ちゃダメー……」 玄「どれどれー、『麻雀TODAYバレンタイン特集号ー少年雀士が喜ぶチョコ100選ー』……」 宥「あ、あぅぅ……」(カーッ 玄「ふんふむ、なるほどなるほどー。さてはおねーちゃん、バレンタインにチョコを渡したい人がいるんだ!」(キラッ 宥「な、内緒……」(ボフ 玄「アハハ、炬燵の中に隠れても無駄だよ、おねーちゃん。そのチョコ渡したい人ってさ、京太郎君でしょ?」 宥「っ!?ど、どーして知ってるの――――ぁ」 玄「フッフッフー、そんなの私のところにドラが集まるぐらいわかりきったことだよ!」(ドヤァ 宥「そ、そんなに……わかりやすい……?」 玄「全国大会の前後辺りから、おねーちゃんが京太郎と電話したりメールのやり取りしてるの、みんな知ってるし」 宥「み、みんなってー……」 玄「もちろん、穏乃ちゃんから赤土先生まで、みんな!」 宥「……………………!」(ボンッ 玄「あ、おねーちゃんが発熱した」 宥「あ……あついよぉ、顔……」(モゾモゾ 玄「おねーちゃん、あついって言いながら炬燵の中に引き篭るのはやめるのですっ!」 宥「玄ちゃん、ひっぱらないでー……」 玄「いいから出てきて!今から一緒にチョコ作ろー!」(ズルズル 宥「やーめーてー」(ジタパタ そして、バレンタイン前日……長野 黒服A「それじゃあ、お疲れ様でしたっ」 黒服ズ「「「れっした!」」」 京太郎「あの、そういうのやめてください、マジやめてください、こんなとこ誰かに見られたら洒落になんないんで……」 黒服A「わかりました。あ、コレ、少ないですが今回のアルバイト料とのことです、どうかお納めください」 京太郎「あ、ども……。えっと、赤木さんとか原田さんによろしく言っといてください」 黒服A「かしこまりました。それでは、あっしらはここで」 黒服ズ「「「失礼しますっ!」」」 京太郎「だからそーいうのやめてって言ってるじゃないすか!?」 京太郎「……まったく、近頃は物騒だからって大袈裟なんだよ、赤木さんたち」 京太郎「しっかし、麻雀打ってアルバイト料貰うなんて、俺ってばちょっとプロっぽくねえ?プロっぽいよな!これはもう、麻雀プロの世界に足を踏み入れるしかないんじゃねー?」(ワクワク 京太郎「さてさて、麻雀で稼いだ初のお給料はおいくら千円になるのかなー、っと」 京太郎「…………なんだこりゃ、変な紙切れが……っと、なんか金額書いてある。小切手って奴か、初めて見た。どらどら……ひふみのよーいつむー………………え!?」 『¥500000』 京太郎「……………………次からは断ろう、絶対に、なにがあっても断ろう」(ガタガタ 京太郎「とりあえず、今度の休みに銀行に持っていって通帳に放り込んでもらうか……。つ、使っても大丈夫なお金だよな……なあ?」 晴絵「お、いたいたー。おーい、須賀くーーーん」(プップッー 京太郎「はい?って、は、赤土さん?どうしてこんなとこにいるんですか!?」 晴絵「どうしてって、君に会いにわざわざ奈良から車走らせてきたんだよー」 京太郎「俺に会いに……ですか」 晴絵「いや、まあね?ぶっちゃけたこと言っちゃうと、会いに来たっていうか……『拐いにきた』?」 京太郎「は?」 晴絵「おーいみんなー、出番だよー」 ――――ガラッ! ギバード(紙袋装備)「ラジャー!」(縄 ひな(サングラス装備)「誘拐させていただく所存」(アイマスク 綾(黒マスク装備)「なんかゴメンねー」(手錠 京太郎「」 <イヤアァァァァァァ 透華「ハッ!?いま、京太郎の私に助けを求める声が!」 一「ハイハイ、気のせい気のせい」 バレンタイン当日……奈良・松実旅館 晴絵「はーいお待たせ宥ー。愛しの須賀君を運んできたよー」 宥「ふわっ!?い、愛しのって、そんな…………えと、『運んで』?」 晴絵「いやー、けっこー重いもんだね男の子って。ほーら、獲りたて新鮮だよー」 ドサー 京太郎「」(ビチビチ 宥「」 晴絵「そいじゃー頑張ってねー。さ、帰るよみんなー」 ギバード「宥ねーちゃんファイトー!」 ひな「玄ちゃんのおねーさんの恋路、応援させていただきます」 綾「あ、これ手錠の鍵です。よかったら使ってください。手錠かけたまま、っていうのもなかなかマニアックでいいんじゃないかって思いますけど!」 宥「え、えと……ど、どうもー」 京太郎「なんで俺がこんな目に……」(モゾモゾ 宥「ゴ、ゴメンね、すぐに縄とか外してあげるから……ん、ぁぅ、ちょっと……固ぃ……」(前屈み 京太郎「ちょ、ちょっと宥さん、近いです、顔……顔におもちが近い……てか、なんか声とかいい匂いがヤバいです……あっ、あれ、なんか妙に懐かしい衝動が……!?」(ビタヒ 宥「キャン!?ぁ、あまり暴れないで……」 玄「おねーちゃん、京太郎君ってもう届いたの………………え」 宥「く、玄ちゃん、どうしたの――ぁ」 京太郎→拘束されている 宥→拘束されている京太郎に体を寄せている 玄「お、おねーちゃん、まさか……」(ワナワナ 宥「ち、違うよ?これは京太郎君の縄とか手錠を……」 玄「いくらなんでもそんなプレイは早すぎだからやめるのです……!!」 宥「そんなプレイってなんなの玄ちゃん……!?」 京太郎(うん、頭冷やそう…………イーリャンサンスーウーチーパーキュートンナンシャーペーハクハツチュン、純チャンイーペードラドラ裏2ー)(ブツブツ 玄「……京太郎君、戻ってこないねー」 宥「少し頭を冷やしてくるって言ってたけど……どこに行っちゃったんだろーね。も、もしかして私のこと嫌いになって長野に帰っちゃったのかも……」 玄「いやいや、おねーちゃんのこと嫌いになれる男の子なんていないから!自信持って!」 宥「う、うんー、がんばる」(フンス 京太郎「…………ただいま戻りました」 宥「ぁ」(バフ 玄「おねーちゃん、即行で炬燵の中に隠れちゃダメだよ!」 宥「だ、だってー……」 玄「もー……それにしても遅かったね、京太郎君。どこ行ってたの?」 京太郎「少し自分を見失いかけたから、旅館のお客さん相手に少し打ってきました」 玄「あ、そうなんだ。じゃあ逆に早いぐらいだったんだね……」 京太郎「それで、俺が松実旅館に強制連行された件についてなんですけど……」(チラ… 宥「はぅ……」 京太郎「奈良に着くまでの道すがら、赤土さんを始め、阿知賀こども麻雀クラブの子たちに、ここ最近の宥さんの様子を延々聞かされまして……その」 宥「――――――――!?」(ボンッ 玄「あ、あぁ……このパターンはあれだね、もう相手が気持ちに気付いちゃってるのを知りつつ、改めて想いを告げるっていう高難度な……」 京太郎「…………なんか、すみません」 宥「わ、わわ……え、えっと、その……!」 京太郎「えーっと、正直なところ俺でいいんですかと念入りに確認しておきたいところですけど……」 玄「そんな心配は無用だよ!京太郎君と電話で話したり、メールでやり取りしてる時のおねーちゃん、本当にあったかーい顔で笑ってるんだから!」 宥「く、玄ちゃーん……」 玄「逆に京太郎君はおねーちゃんの気持ちを知ってどー思ったのか、今この場でババーンと口に出しちゃってよ!」 京太郎「お、俺は、そのー…………」 宥「や、やっぱり嫌、かな……?」(フルフル 京太郎「…………いえ、そんなことは。ただ、その、あまりに急な展開にイロイロ実感が足りないだけで……」 玄「なるほどなるほどー、タイミングを見計らってババーンと大きく和了という名の告白をするから、今は仮テンにしておいてほしい、ってことだね!」 京太郎「……です」 宥「ぁ、じゃ、じゃあ……京太郎君、は、はい」(ゴソゴソ 京太郎「これって……」 玄「京太郎君、今日はバレンタインデーだよ」 宥「えっとね……さ、最初は友達からだけど……これから、い、一緒にいっぱいあったかーい思い出作ろうね……」(テレ… 京太郎「」(ゲイ―――ボルグ! 玄「あ、因果率が逆転した」 宥「……?」 京太郎「こ、こちらこそよろしくお願い、します……」(プルプル 玄(あー、これはもうゴールまでカウントダウン入っちゃったよーですよー) 玄「京太郎君、今日はウチに泊まっていきなよ!いい部屋空いてるからさ!」 京太郎「そ、そうですね、ここに来るまでろくに眠れなかったですし、一晩お世話になります」 玄「おまかせあれ!」 玄(ふふーんふーん、さーて離れの二人部屋のお掃除お掃除ー。あ、あとストーブと羽毛布団も用意してー……)(トタタ… 京太郎「玄さん、なんかやけに張り切ってましたね……」 宥「うん。きっと京太郎君がウチの旅館に泊まってくれるのが嬉しいんだよー」(ポワー 京太郎「そうなんでしょうか……?」 宥「たぶん……」 京太郎「…………えっと、せ、せっかく貰ったんですし、早速チョコをごちそうになりますね!」 宥「う、うん、頑張って作ったから……お、美味しいよ」(ニコッ 京太郎「それは楽しみです―――」(パカ 京太郎「…………溶けてますね。ポケットに入れたまま炬燵に入ってたから」 宥「わわっ!?」(ガーン 後日……長野、清澄高校麻雀部 京太郎「」(ボー 咲「もー京ちゃんってば、バレンタインデー前後に行方不明になるなんてヒドすぎだよ!せっかくチョコあげようと思ってたのに!」(プリプリ 京太郎「おー、そりゃ悪かったな……」 咲「…………京ちゃん?どうしたの、なんか気もそぞろっていうか、なんか心なしかやつれて見えるし」 優希「どーせどっかの雀荘で耐久麻雀でもやってたんだじぇ!ホレ、のどちゃん、おもちでも拝んで元気だせ!」 和「ちょ、ちょっとゆーき!?」 優希「ノリが悪いじぇ、のどちゃん!ここらでパーッと弾けられるとこ見せてギャップ萌えでハートゲットだじょ!」 和「弾けろと言われても……ほ、ほーら須賀君、きれいなクッショ――――もう無理です、もう許してやめさせてください……!」 咲「ズルい!おもち使うなんて卑怯だよ和ちゃん!」 和「そこ怒るところなんですか!?」 京太郎「――――おもち、か」 優希「ん、おもちがどーかしたのか京太郎?」 京太郎「ある意味で邪悪なクッションの魅力を耐え抜いた俺に、もう怖いものなんてないぜ……へへ」(ゲッソリ まこ「行方不明になる度に変な体験しとるんじゃの、お前」 京太郎「なんでしょーね……こんな辛い思いするぐらいなら、おもちの魅力なんて思い出さなきゃよかったよ……」 優希「……マジで病院に行った方がよくないか、お前」 まこ「なんじゃろーな、一晩欲望と理性の狭間で苦しみ抜いた末に、自分にごちそうをお預けしてしもうたワンコみたいな悲しい目をしとるの……」 松実宥編……カン! 阿知賀にて…… 玄「で、で、おねーちゃん、どーだった?」(ワクテカ 宥「ど、どうだったー、って?」 玄「またまたー、照れ隠ししなくていいよー。せっかく気を利かせて、離れの二人部屋用意してあげたんだよ?もー、二人してあったかーいことしちゃったんでしょ!」(キラキラ 宥「あったかい……う、うんー」(ポッ 玄「ど、ど、どうだったの?やや、やっぱり痛かったりしたの……?」(ドキドキ 宥「痛かったり……ううん、ぜんぜんそんなことなかったよー?」 玄「えっ、じゃあじゃあ気持ちよかったのでしょうか!」 宥「な、なんで玄ちゃん敬語なの……?えっとね、玄ちゃんに勧められて京太郎君の部屋にお邪魔した後ー……」 玄「うんうん……!」(ゴクリ 宥「さ、寒いから同じお布団に入れてもらってね、だ……抱っこしてもらうような形で寝させてもらうったの。す、凄く恥ずかしかったけど、とってもあったかかったよー」(テレテレ 玄「そ、それだけ……なの?」 宥「う、うんー。わ、私はあったかくてすぐに寝ちゃったんだけど、京太郎君はあんまり眠れなかったみたいだし、ちょっとだけ悪いことしちゃったかな……」(ションボリ 玄「朝、起こしにいったら部屋の隅で京太郎君が黙々とツモ切りの練習してたの、手を出すに出せなかった末の正気を保つための行為だったんだねー……」 宥「ど、どーしたの玄ちゃん……?」(純粋無垢な瞳 玄「おねーちゃん、『その機会』が訪れた時に溜まりに溜まったものを受け止めてあげられるよう、もう少しアダルトな保健体育の勉強しておいた方がいいよ……」 宥「ア、アダルト……?く、玄ちゃん、えっちぃのはいけないと思うよ!」(ワタワタ 玄(おねーちゃんに一からえっちいことを教えていくのも、ある意味役得な気がするし、京太郎君にはイロイロと頑張ってもらいたいところだよー。そしてゆくゆくは、松実旅館に来てもらって――――!)(ゴゴゴ… 宥「玄ちゃんが燃えてる……。あ……こ、今度いつ会えるか京太郎君に電話で聞いちゃおうかな……♪」(ニコニコ 松実玄の松実旅館経営戦略編……カン!
https://w.atwiki.jp/sangamaki/pages/99.html
. 京太郎「おはよう」 菫「おはよう、もう朝ごはん作ってあるぞ」 京太郎「いつもすまないな」 菫「京太郎は仕事で忙しいんだからしょうがないだろう」 京太郎「もっと菫と話せたらいいんだけどな」 菫「いいさ、っと」ヒョイッ 菫「お弁当付けてたぞ」パクッ 菫「うん、おいしい、京太郎の味がする」ニコッ 京太郎「じゃあもっといいものを」チュッ 菫「んっ」 京太郎「……はぁ、おいしかったか?」 菫「ああ、とっても」 【(株)白糸台】 京太郎「どもー」 淡「きょーたろー遅いよっ!」 誠子「淡、仮にも部長だぞ」 淡「関係ないです!きょーたろーはきょーたろーだもん!」 誠子「お前なぁ……」 京太郎「まあまあ、二人とも落ち着いて」 尭深「お茶、いれましたよ」 京太郎「毎度すみません」 尭深「これも仕事なので」 淡「……」ジトッ 京太郎「淡、どうした?」 淡「たかみ先輩ときょーたろーって仲良いよね」 尭深「そう?普通だと思うけど」 淡「きょーたろー!たかみ先輩が可愛いからって浮気しちゃだめだからね!」 誠子「何をバカなことを言ってるんだ、営業行くぞ」 淡「はーい!」 誠子「それじゃ、失礼します」 淡「行ってきまーす」 尭深「行ってらっしゃい」 ガチャ バタム 京太郎「社長も今日は外でしたよね」 尭深「はい、昼くらいに帰ってくるって」 京太郎「じゃあ、始めましょうか」 尭深「うん」 言うが速いか、京太郎はネクタイを緩め、 尭深をその胸に迎え入れた しばらく尭深の身体のやわらかさを堪能した後、尭深の上着を脱がし ゆっくりと優しく丁寧にシャツのボタンを外していく 尭深の胸元から白色の下着が姿を見せる 手を後ろに回してホックを外すと、尭深の豊かな二つの白山が露わになる prrrr prrrr 京太郎「出てください」 尭深「はい」 会社にかかってきた電話 京太郎はそれすらも遊びとして利用する 一本目の電話がかかってきたときは尭深が対応する 京太郎はその間、尭深のその柔らかく、大きな白山を荒らす 尭深「はい、こちら株式会社しっ、ら糸台ですっ、んっ」 優しく触るかと思えば、激しく揉みしだき 尭深「本日はぁっ、どのんっ、ようなぁっ!」 その頂にある薄桃色の蕾を口に含み、激しく吸うかと思えば、優しく舐める 尭深「だいじょうぶです、はい、はい、ぁんっ!」 ときたまそれを弾いてみたりと、とにかく弄ぶ 電話が切れると同時に、その悪戯も終わる 次は尭深が京太郎のベルトを外し、ファスナーを下げていく 尭深の目の前には京太郎の黒山が立ちはだかる prrrr prrrr 二本目の電話、これには京太郎が対応する 尭深は休まず、それを撫でる 一通り撫で終わった後はゆっくりとしごく 段々と速度を上げていき、こちらも同じように口に含む 噛まないように気を付けながら、顎を上下させる ときどき舐めたり、吸ったり そして二本目の電話と尭深の番が終わる 三本目の電話は尭深が出る 京太郎は尭深の下を弄る 四本目の電話は京太郎が出る 尭深は京太郎の上で乱れる 五本目は―――― ようやく昼へと、時は進む 淡「たーっだいまー!」 誠子「駅前の牛肉弁当買ってきましたよーって、部長には必要ありませんでしたね」 京太郎「愛妻弁当がありますからね」 尭深「三人とも、お茶入れましたよ」 淡「たかみ先輩も来たことですし、食べよーよ!」 誠子「そうだな、いただきます」 尭深「いただきます」 京太郎「いただきます」 淡「いっただっきまーす!」 夕方 尭深「社長、帰ってこないですね」 京太郎「どうせ迷子にでもなってるんでしょう」 誠子「ただいまですー!」 淡「テルー拾ってきたよー」 照「コンクリートジャンゴルめ」 尭深「拾ってきたの!?」 京太郎「言えてないし……」 照「まあいい、京、今夜はいい?」 淡「ひょっとして浮気ですか!」 照「たまには別の味もいいものだよ」 京太郎「…………はぁ」 京太郎「ただいまー」 菫「お帰り」チュッ 菫「今日はハンバーグだぞ」 照「そんな予感はしていた」 菫「…………なぜだ」 菫「なぜ貴様がここにいる」ギィン 菫「貴様がっ、貴様がいるから!」プルプル 菫「貴様がここに来るから……っ」プルプル 京太郎「菫、抑えよう、な?」 菫「貴様のせいで、貴様のせいで!」 菫「うちの食費が大変なことになってるんだ!」 菫「来ては10人20人分を軽く平らげて、挙句の果てにプリン買ってこいだと!?」 菫「貴様にうちの敷居は跨がせない!」 照「…………」 照「菫の頼みでも、それは聞けない」 照「ここは通らせてもらう」ギュルルルル 菫「よかろう、ならば私を力づくで倒してみろ!」 照「上等!」 菫「照ゥゥウウウウ!」キュイイイイン 照「菫ェェエエエエ!」ギュルルルル ドゴオオオオオ 京太郎「……誰か」 京太郎「誰かこの修羅場を止めてくれー!」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3125.html
久『そういえばこの間、須賀君、美穂子に告られたのよ』 京太郎『部長!!』 咲・和・優希『『『えっ?』』』 和『それって』 咲『ど、どう『どうゆう事だじぇ!!!!!!!!!!!!』 優希『どうしてこのアホ犬が風越の大将に告白されるんだじぇ! 地球が逆回転するくらいありえないじょ!』グルル 咲『そ、そうだよ! 京ちゃんが女の人から告白されるなんて絶対にありえないよ!』アセアセ 久『酷い言われようね』ポン 京太郎『…』 和(…) 久『残念ながら嘘じゃないわ』 久『ね? 須賀君?』 京太郎『部長~ はぁ~ まぁ確かに告白されたけど、この気持ちがどっちの好きかわからなかったんだ』 京太郎『…それに出会ったばっかりだったから、まずはお友達からって事になったんだよ』 咲『(よ、よかった)そう、なんだ』ホッ 優希『当たり前だじょ!京太郎は咲ちゃんとくっ『あーーーーっそうだ!優希ちゃん一緒に麻雀打とう!ほら原村さんも!』ガシッ 和『あ、はい(宮永さん…)』 咲『優希ちゃん!危うく京ちゃんにばれるところだったよ!』ヒソヒソ 優希『大丈夫だじょ!あの鈍感童貞ヘタレ男ならあれぐらい へ?そうなの?で終わりだじぇ』ヒソヒソ 咲『そうかな?』 優希『そうだじぇ』ニカー 和『…』 久(おもしろくなってきたわねww) ~~~~ 和『ロンです。8300』タンッ 京太郎『うげっ』 和『ロン。リーチ一発平和、ごっぱ(5800点)』タンッ 京太郎『ぐはっ!?』 優希『ツモ!一盃口ドラドラ。2000、4000だじぇ。』タンッ 咲『あっ、ロン!中混一色ドラ8で三倍満』タンッ 京太郎『』 優希『また京太郎が飛ばされて終わりだじぇ』 京太郎『うっ』グサッ 和『しかも四連続』 京太郎『ううっ』グサッ グサッ 咲『それに一回も和了れなかったね』 京太郎『ダァーッ!俺をいじめて楽しいか!』 優希『いじめてなんかないじょ?京太郎が弱すぎるんだじぇ』 和『その通りです』 京太郎『なっ!?和まで~』シクシク 咲『だ、大丈夫だよ!次は和了れるよ!』アセアセ 京太郎『ううっ(くそ!言いたい放題いいやがって!)』 京太郎(見てろ~!)メラメラ ~~~~ 京太郎『』 久『すごい!7連続飛びなんて!初めて見た!(これはある意味才能ね)』 京太郎『ふっ』 京太郎『なぁ咲?なぜ聴牌してるのに和了れないんだ?』 咲『そ、そんな事言われても』 咲『………運がわるかったとしか』 優希『京太郎、タコス、…食うか?』ポン 京太郎『いらねぇよ!』 京太郎『おかしい!おかしすぎる!積み込みか!?積み込みなのか!?』 ギャー ギャー ギャー 和『…部長、今日は少し用事があるのでお先に失礼します』ペコ ガチャ…パタン 久『んーりょ~か~い』ヒラヒラ ~~~~ 咲『あれ?原村さんは? 優希『そういえばさっきから見てないじょ』キョロキョロ 久『和ならついさっき用事があるからって帰ったわよ?』 咲『え?でも鞄置きっぱなしだよ?』 久『あら本当ね…こんな時は!』 久『須賀君!あなた和に鞄届けに行ってあげて』 京太郎『ええ~俺ですか!?』 京太郎『帰る方向違うんですが…』 久『まぁ!皆聞いた?和に鞄届けに行くのがめんどくさいですって!』 京太郎『おい!』 咲『…京ちゃん、酷い』 咲『京ちゃんがそんな人だったなんて』 優希『京太郎!最低だじょ!麻雀が弱いだけじゃなく、男としての器も小さいなんて絶望的だじぇ』 京太郎『わかった!わかったから!届けに行けばいいんだろ!』タタッ 久『帰りに牛乳とバナナお願いね~』 優希『タコスも忘れるなよ!』 咲『わ、私はポッキーがいいな~』 京太郎『そんな事、知らん!』 ガチャバタン ~帰り道~ 和(須賀君が告白されたと聞いた時の宮永さんの反応、もしかして…) 和(いや宮永さんに限ってそんなオカルトありえません!)ブンブン 和『(でも…もしかしたらって可能性も…)痛』ドンッ 男A『ぁあ?』ギロッ 男B『なんだこいつ?』ギロッ 和『す、すみません。少しぼーっとしていて』 男A『はぁ~? なんだって?』 男B『ん? こいつ清澄高校の原村和じゃねえか?』 男A『原村和ぁ~? 誰だそれ?』 男B『お前、本当に麻雀部かよ?』 男A『うるせー! んな事たぁ~どうでもいいんだよ 』 男A『で? こいつそんなに有名人なのかよ? 』 男B『去年の全国中学生麻雀大会個人戦優勝者で今年の県予選個人戦で2位の怪物様だよ 』 男A『ヒュ~♪ へぇ~なるほど』 和『あの私、用事があるので失礼します』ペコ 男A『おいおいちょっと待ちなよお嬢さん』ガシッ 男A『まさかこのまま帰ろうとか考えちゃ~いないよな?』ニヤニヤ 和『は、離してください!』 男A『それは無理な相談だ』 男B『君がぶつかってきたお陰でこいつの服、汚れちゃったんだよね~』ニヤニヤ 男A『弁償してもらわなくっちゃね~』ニヤニヤ 和『弁償…ですか?』 和『…わかりました。それでは振込み先を教えて下さい。後日、そこにお金を振込んでおきますので』 男A『何言ってんだ? 俺達は今すぐに払ってもらいたいんだよ』ニヤニヤ 和『し、しかし今はお金なんて…』 男B『あちゃ~じゃあ仕方ないかぁ~』チラ 男A『持ってないなら身体で払ってくれればいいよ~』ニヤニヤ 和『えっ』サァー 和『あ、貴方達は自分が何を言っているのかわかっているんですか!?』ビクビク 男A『あぁわかってるさ』ニヤニヤ 和『は、犯罪です!』ブルブル 男B『それがどうした? 金が払えないから仕方なくするんだぜ?』 和『ですから振込み先を教えて下されば…』 男A『俺達は今すぐ欲しいんだよ! 二度も言わすんじゃねぇ!』 和『』ビクッ 男A『しかもこんな糞みたいなペンギン抱えやがって!』ガシッ 和『あっ! エトペン!』 男A『おっとこりゃいいサッカーボールになんじゃねえか』ポーン ポーン 和『やめて! エトペンを蹴らないで!』 男B『おっと』ガシッ 和『離して!』グスッ 男A『ハハハッ! 男B見てみろよ! スゲー跳ぶぞこの糞ペンギン』バシッ 男B『丸いしなww』 和『エトペン! やめて! エトペンが! エトペンが死んじゃう!』ジタバタ 男A『死ぬも何も人形だろうが』ハハハ 男A『オラァ!』バンッ 和『エトペン!』 男A『ん? ありゃりゃ手が取れちまった』ポロン 男A『まっいっか!ペンギンちゃ~んご主人様とお別れしましょうね~、ほい』バシン ピュ~ ボトン 和『エトペン!そ、そんな! いやぁぁぁあああああ!!!!!!!!!!!!!!!! 』 男A『おいおいそんな大声だすなよ!』 男A『男Bそいつの口塞げ』 男B『あいよ~』 和『(誰か…)や、やめて』グスグス 和『(誰か助けて…)』グスグス 京太郎『おい!』 男A・B『『あぁ?』』 京太郎『和を離せ!』バシッ 男B『ぐわっ!』バタン 男B『いててててっ』 男B『何しやがんだ!』 京太郎『それはこっちの台詞だ!』 京太郎『和、大丈夫か?』 和『須賀君! どうして…?』 京太郎『鞄、忘れてたぞ?』 京太郎『怪我ないか?』 和『(あっ! 何か軽いと思ったら…)私は大丈夫ですが、エトペンが…』 男A『おい! てめぇはこの間、俺らに恥をかかせてくれた奴じゃねぇか』 男B『本当だ! この間は良くも! 』 京太郎『俺何もしてないですよ』 男A『うるせー! あの女よりもこの男だ 』 男B『おう!』 京太郎『和、逃げれるか?』ボソッ 和『な、何を』 京太郎『いいから逃げろ! エトペンも俺がなんとかするから! 早く!』 和『で、でも…』 京太郎『足手まといだ! 早く行け!』 和『は、はい』タタッ 男B『あいつ逃げたぞ』 男A『ほっとけ、それよりこいつだ』 男B『チッ。あと少しだったのに』 男A『…覚悟できてんだろうな!』 京太郎『そっちこそ』 ~~~~ タッタッタッ 和『ハァハァ(須賀君…)』 和『(待ってて下さい、今助けを)ハァハァ』 ドンッ!! 和『!?』 和『痛っ(ぁ……また)』 久『おっとっと』 久『あら和じゃない? そんなに急いでどうしたの?』 和『ぶ、部長!』 久『須賀君に会わなかった? 和が帰ったあと、和、鞄忘れてたから須賀君に頼んだんだけど?』 久『麻雀しようにも三人しかいないから解散することにn』 和『須賀君が! 須賀君が! 私のせいで!』 久『っ!…ちょっと落ち着きなさい和』 久『何があったの?』 和『事情はあとで話します! 着いて来て下さい!』 ~~~~ 京太郎『痛たたた』 京太郎『あいつら本気で殴りやがって』 京太郎『ふっ、イケメンがだいなしだぜ』 京太郎『………(言ってて恥ずかしくなってきた)』 京太郎『ったく にしてもエトペンの腕、何処だよ…』 ドロドロ 京太郎『(うわっこりゃー 一度洗わないと汚れは落ちないだろうな』 京太郎『(中の綿も少し取り替えないと…)』 京太郎『はぁ 中々みつからないな』ガサゴソ ?『…ねぇ? さっきから何してるの? 』 京太郎『へ?』 ?『うわっ!? どうしたのその顔 試合後のボクサーみたいな顔になってるよ? 』 京太郎『え? まぁ色々あって…』ハハハ ?『?ふーん まっ僕には関係ないけどね。それでさっきから何してるの? 』 京太郎『ん? ああ ちょっとペンギンの腕を探してて』 ?『ペンギン?(あれ? このペンギン何処かで見た事あるような…)』 京太郎『そう 色々あって手取れちゃたんだ』 京太郎『多分この辺りにあると思うんだけど』 ?『ふーん…それじゃあ手伝ってあげるよ』 ?(どこだっけどこかで見た事あったんだけど…まぁいっか……) 京太郎『え?』 ?『探すの』 京太郎『本当ですか!?』 ?『僕は嘘なんて言わないよ』 京太郎『ありがとうございます』ペコ ?『お、お礼なんていいよ』 ?『それにその顔じゃいつ通報受けてもいいレベルだよ』 ?『さっ 暗くなる前にさがそ?』 京太郎『はいっ』 ~~~~ ガサゴソ ガサゴソ ?『見つかった~?』 京太郎『こっちにはないみたいです』 ?『う~ん じゃあ僕は向こう探すから君は向こう探しみて 』 京太郎『わかりました!』 ガサゴソ ガサゴソ ?『この辺もない…かぁ』 ?(そういえば小学生の頃は皆で探し物をしたりして遊んだっけ。ただ物を探すだけの遊びなのに凄く興奮した覚えがあるなぁ…) ?『皆どうしてるかな…』 ?(昔の皆は僕を許してはくれない。許してくれるはずがない…僕はそれだけの事をしたんだ…) ?(それに今は皆がいる。大事な…大事な友達が!) ?『って~何考えてるんだ僕』テレテレ ?『探さないと…』 ~~~~ ?『ふぅ~だいぶ暗くなってきたよ』 ?(中々見つからないものだな…) 京太郎『あったー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』 ?『あんまり大きな声ださないでよ…』 京太郎『あっ! すみません』 京太郎『それより、ペンギンの腕!ほら!』 ?『へぇ~(この暗い中よく見つけたもんだ…)』 ?『見つかってよかったね』 京太郎『ああそれにしても見つかってよかった~』ギュ~ ?(男がペンギンを大事そうに持ってるとなんてゆうか…) ?(シュールだ…) 京太郎『一緒に探してもらってありがとうございます!』 ?『うっ その顔でお礼言われても恐い人だよ…』 京太郎『うぐっ』 ?『まぁ どう致しまして』 ?『それじゃあ僕はこれで…』 ?『じゃあね? 人形遊びもほどほどにね? 』 タッタッタタ 京太郎『いい人だったな~』 京太郎(でもどこかで見たような…) 京太郎『ああっ! 名前聞くの忘れてた…』 ~~~~ 和『須賀君~!』 久『須賀君~!』 久『本当にこの辺りなの?』 和『間違いありません!』 和『須賀君は私のせいで…』グスグス 久『はい はい 泣かないの』 和『部長は落ち着きすぎです!』 久『そうかしら? 須賀君ならきっと大丈夫よ…』 和『あいて二人なんですよ! いくら須賀君でも二人は無理です』グスグス 久『まぁとりあえず泣いてたって須賀君は見つからないわ』 久『泣くより先に足と目を動かしましょう』 和『泣いてません!』グスッ 久『それにしてもこれだけ探しても居ないって事は家に帰ってるかあるいは…』 和『あ、あるいは…』 久『どこか別の場所に連れてかれたか…』 和『そんな!?』 久『暗くなって来たし手分けして探すにしても一人じゃ危ないし…』 久『とりあえず他の皆も呼んで須賀を探しm『お~い! 和~!』 久・和『え? 須賀君?』 京太郎『エトペンと腕見っけといたz』 久・和『キャーーーー――――――――――――――――ッ』 京太郎『へ?』 和『へ、変質者』ガクブル 久『逃げるわよ和! 』ガシッ 京太郎『ちょちょっと待って下さいよ~』 ~~~~ 久『ハァハァ』 和『ハァハァ』 京太郎『だから待って下さいって~』 久・和『!?』 和『ぶ、部長あの人まだ追いかけ来ます』ガクブル 久『なんてしつこいの!』ハァハァ 久『和! 警察よ! 警察に電話しなさい!』 和『け、携帯、今持ってません』 久『んな!?(まずいわね…)』 久『(私も携帯は家に置いて来ちゃったし…)』 久『このままじゃ…』 久『(ん? あれ?) あの変質者、和の名前叫んでなかった?』 和『そう言えば呼んでましたね』 久・和『………』 久・和『………あっ!』 京太郎『ハァハァ ようやく追いついた~和も部長も何で俺を見て逃げるんですか!』ハァハァ 久『えっと 須賀君? よね?』 京太郎『当たり前じゃないですか!俺以外に誰がいるってんですか!』 和『本当に須賀君?』 京太郎『和まで!?』ガーン 京太郎『この須賀京太郎、生まれてこのかた、知り合いに顔を忘れられたの初めてですよ!』 和『ほんとに本当?』 京太郎『だ~か~ら! 本当だってなんd』 和『須賀君!』ギュッ 京太郎『ええ~!? 』 和『須賀君、ごめんなさい! 私のせいで…』 和『わ、私があの人達にぶつかったせいで…』グスッ 京太郎『なぁ~に和が気にする事ないって!悪いのは全部あいつらだから』 京太郎『それにあいつら俺のあまりの強さに恐れをなして逃げてったわww』はっはっは 久『須賀君って嘘下手くそよね…』ヤレヤレ 京太郎『ちょ! 部長~ そこは空気を読んで下さいよ~』 和『フフッ』 久『まぁそれにしても須賀君が無事でよかったわ』ニコッ 京太郎『はい、部長』 久『それと和は当分の間は一人で帰らないで必ず二人以上で帰る事を勧めるわ』 和『はい…』 京太郎『それなら俺にまっかせといて下さい!』 久『あらあら。和もそれでいい?』フフフッ 和『は、はい! よろしくお願いします』ペコ 京太郎『了解!』 久『ほら和、いつまでも須賀君に抱き着いてないで帰るわよ』 和『はっ!?』バッ 和『す、すいません』 京太郎『いえいえ寧ろご褒美です』テレテレ 久(帰ったら美穂子にチクってあげるわww) ~~~~ 久『そっれにしても凄い顔ね…清澄高校の顔面凶器とはあなたの事だったのね須賀君』 京太郎『違いますから! そもそも何ですか? それは!』 久『あら知らないの? 清澄高校七不思議の一つよ?』 京太郎(清澄高校に七不思議があったのかよ!) 和(知りませんでした…) 久(まぁ嘘なんだけどね~ww) 久『とりあえず須賀君は明日必ず朝一で病院に行く事!和の事は私にまかせて!』 京太郎『朝一で開いてる病院ってこの辺り知らないんですけど…』 久『それなら大丈夫よ』ガサゴソ 久『はい、これ! 部長印の地図~』ジャーン 京太郎『ただの地図じゃないですか』 久『はぁ~ 須賀君はほんと空気読めないわね…』ヤレヤレ 京太郎(部長にだけは言われたくねえよ!) 京太郎『あっそうだ! 和、ほらエトペン』 和『エトペン!』 京太郎『とりあえず見つけたんだけど腕も取れてるし、綿も汚れてるわで、ごめんな?』 和『』ふるふる 和『綿は取り替えれば治りますし、腕はちゃんと縫えば治ります』 和『須賀君…本当にありがとうございます…』グスッ 京太郎『気にすんなって』ポンポン 和(あっ…須賀君の手、凄く大きい…) 和(それに凄く心が和らぐ…) 久『ほ~らいつまでもいちゃついてないで! 到着よ!』 和『なっ! いちゃついてなんかありません!』バシッ 京太郎『oh…』 久『それじゃあまた明日、7時ぐらいに迎えにいくわ』 和『はい…』 和『す、須賀君!』 京太郎『はいっ?』 和『今日は本当にありがとうございました!』 和『これはその…今日のお礼です』 京太郎『え?』 チュッ 和『それではまた学校で!』ペコ 京太郎『』 久(キター!!!!! これは凄い事になるわ!) 久(美穂子に和、それに多分咲も須賀君の事が好き。修羅場展開がありそうね!)ワクワク 久『さぁ~て須賀君? 和にキスされた感想は?』 京太郎『』 久『須賀君?』 久『ありゃ? す~が~く~ん? 』 京太郎『』 久『ダメだこりゃ…』ヤレヤレ ~原村宅~~~ 和(キャーッ 私ったらなんてことを…)アセアセ 和(明日からどんな顔して須賀君に会えばいいの…) 和『今日の須賀君、凄くかっこよかったな…』 和父『…何がかっこよかったって?』 和『お、お父さん!?』 和父『今日は随分と遅かったじゃないか…遊びに夢中になるのもいいが学業にもちゃんと専念しなさい』 和『はい…』 和父『それとそのぬいぐるみはどうしたんだ? 随分と汚れているようだが?』 和『!?』 和『転んだ拍子に落としちゃって…』 和父『そうか……何があったのかは知らないがなるべく早く帰れるよう努力しなさい』 和『はい…』 和父『それとそのぬいぐるみ、知り合いにいい人形師がいるから治してもらうようお願いしてあげよう』 和『いえ大丈夫です、お父さん』 和『自分で…自分で治してみせます!』 和父『そうか…余計なお世話だったな』 和父『まぁどうしても治すのが無理だったときは私を頼るといい』 和父『あまり夜更かしはするなよ?』 和『はい、ありがとうございます』 和『お父さん!』 和父『なんだね…』 和『おやすみなさい…』 和父『あぁ、おやすみ』トコトコ ~~お風呂~~ ジャ~~~ 和(びっくりしました…お父さんには今日の事は黙っておいた方がよさそうですね…) 和(須賀君、か…そういえば須賀君、風越の大将の福路さんに告白されたと言っていましたが…) 和(一度断ってるんですよね…) 和『…』 和『私にもまだチャンスがあるかもしれませんね…』 カン ~おまけ~ 久『ねぇ~須賀君?』 久『私って実は口が軽いのよ?』 京太郎『なら堅くして下さい…』 久『それは無理な相談ねぇ…よいしょっと…』 久『じゃじゃ~ん 部長印の須賀君電話~』 京太郎『なっ!?それ俺の携帯じゃないっすか!』 久『のんのん』チッチ 久『部長印の須賀君電話よ』 久『今、私がこのボタンを押せばどうなるでしょう~?』ニヤニヤ 京太郎『何なりとご命令を』スタッ 久『フフッじゃあ須賀君の奢りでラーメン食べに行きましょ?』 京太郎『あぁ~今月のお小遣がぁ~』 久『ほらさっさと歩く!』 京太郎『待って下さいよ~ 部長~ 』 ~和編・完~